ウォーレス・フォード
Jimmy Tracey
「俺は善人だ」「Gウーマン」のウォーレス・フォード、「キング・ソロモン」のアンナ・リー、イギリス映画界で名あるジョン・ミルズ、「恋のみちくさ」「ダイナマイト」のグレース・ブラッドリー、フランク・セリアが共演する映画で「ラヂオの歌姫」「画家とモデル」のラウール・ウォルシュが監督に当たっている。ストーリーはレッサー・サミュエルスとラルフ・ベティンスンが共同執筆し脚色にはオースティン・メルフォードとブライアン・ウォーレスが協力した。音楽はルイス・レヴィ、撮影はロイ・ケリノがそれぞれ担当している。
ニューヨークっ子ジミイは或る賭博場の喧嘩でディーンというカナダ人が殺された時其の場に居たが、被害者の側に散乱した書類を手にして逃げ出した。しかしその為にこの犯人として当局に追われる身となった。女友達であるコーラス・ガールのジーンの部屋に暫く隠れていた彼は、被害者の旅券を利用してジェームス・ディーンと名乗り、後を慕うジーンの目を眩ましてイギリスへ逃げた。処がイギリスへ到くと殺されたディーンの父親と親しい間柄であるブリッグス准尉が、美しい妹サリーと一緒に未だ見ぬディーンを出迎えた。ジミイはディーンに成りすましてウェセックスの連隊へ入営した。軍隊で彼は伍長勤務ダウスンと親しくなったが、ダウスンは前からサリイを愛していたので二人は計らずも恋仇となった。或日カナダから来たブリッグスの友人は、本物のディーンが向こうで色々な女関係を惹き起こした事を語ったので、サリイはジミイの愛を疑う様になった。兵営で開かれた音楽会にジミイの後を追って来たジーンが出場して彼に馴々しい様子を見せたので、サリイの心は全く彼から離れた。しかしジミイのジーンに対する態度は冷ややかだったので、彼女は警察へ密告すると脅かした。ジミイはそれを恐れて一人の水平と語らい脱走して、デラウェア号に身を潜めた。処がその船は中国へ出動する軍隊を運ぶ船で、しかも彼の所属連隊が乗っていた。ジミイは捕らえられて禁固を申し渡された。船は香港へ到いた。刑期を終えた彼は同じ船に乗ったサリイを探したが、既に彼女は康楽へ出発した後だった。其の時匪賊がそこを包囲したので、地方政府はイギリス軍に救援を乞い、ジミイは自ら進んで変装して包囲下の康楽へ行き、領事館に集まった白人を指揮して軍隊の到着を待っていた。彼はサリイに自分がディーンでない事を打ち明け、やがて到着した軍隊が領事館を救い、サリイとダウスンが相擁するのを見ると、二人をかばいつつ匪賊の弾に当たって命を終えた。
Jimmy Tracey
Lance Corporal Bert Dawson
Sally Briggs
Jean
Sergeant-Major Briggs
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