ウェンディ・ヒラー
Joan Webster
「生と死の問題」(「天国への階段」)によって盛名をはせたマイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーが製作したアーチャーズ作品で「生と死の問題」「ブリムプ大佐の生涯と死」と同じくパウエルとプレスバーガーが協力して原作脚色監督した。主演者は舞台劇スターで映画でも「ピグマリオン」「バアバラ少佐」に主演しているウェンディ・ヒラーと、「生と死の問題」「ブリムプ大佐」のロジャー・リヴシーで、パメラ・ブラウン、フィンレイ・カリー、「捕われた心」のバレマーゴット・フィッツシモンズ、「七つの月のマドンナ」のナンシー・プライス、マード・モリスン、C・W・Rナイト大尉等が助演する。撮影はアーウイン・ヒリヤーで、音楽はアラン・グレイが作曲、美術監督はアルフレッド・ジュネである。
今次大戦の末期のころである。合同化学工業に勤めている二十五歳のジョーン・ウェブスターは、どうして仕とめたものか、社長サー・ロバート・ベリンジャーに結婚を申込ませることに成功した。彼女の父と同年配であるが、イギリス屈指の大富豪であるところがジョーンの狙いである。社長さんはスコットランドの西北、ヘブリデス諸島の一島キローランに別荘を借り、そこで結婚式をやろうと、一足さきに赴いて準備を整えた。いよいよジョーンは花嫁衣装を入れたトランクをさげて乗込むこととなり、キローランを指呼の間に望むマル島まで来たが、濃霧のために船が出ない。一週間の賜暇でキローランに帰郷する海軍士官トークィル・マクニールは、波止場で会ったジョーンに、ホテルがないから知合のキャトリーナ・マクレーンの家に泊れと勧める。彼女は是非渡りたかったが、迎えの船も来ないので、キャトリーナの家に一泊する。所が強風でまた船は出ない。やむなくトークイルの案内でトバモリーのホテルに投宿し、ベリンジャーと無電で話す。翌日も風は強い。ジョーンはベリンジャーの勧めに従い、ソーン城に疎開しているロビンソン夫妻を訪ねる。その午後夫妻と共にレベッカ・クロジアという未亡人を訪ねると、トークイルが来ていた。その日はレベッカの老園丁の結婚六十年祝賀宴で、大賑いであった。招待されてジョーンもトークイルを相手にダンスをした。その翌日も風は吹きやまない。渡航船の船頭ルーリ・モーが歯医者に行った留守、ルーリの娘ブライディの婚約者ケニイに二十ポンドを与えてジョーンは船を出させようとする。ブライディは断念して泣いて願ったが、ジョーンはきかない。キャトリーナはトークイルに、ジョーンを愛するなら行って助けようという。彼は危うく船に飛乗った。荒浪に船は搖れてジョーンの花嫁衣しょう入りのトランクもさらわれてしまう。しかもモーターが水をかぶって停止し、コリヴレッケンの大渦巻は近い。トークイルは分解して掃除した上、組立てて漸くモーターを直し島へ引返した。翌日は風はなぎ上天気で、キローラン行の船も出るが、もうジョーンは行かなかった。彼女はトークイルとモイ城の廃きょに相抱いていた。
Joan Webster
Torquil McNeil
Catriona
Ruairidh Mor
Mr. Webster
Rebecca Crozier
Mrs. Robinson
The Postmistress
John Cambell
Mr. Robinson
Bridie
Kenny
Col. Barnstaple
監督、原作、製作
監督、原作、製作
指揮
撮影
美術
助監督
作曲
音楽演奏
[c]キネマ旬報社