ハンス・アルバース
Hans Kuhnert
「会議は踊る」「狂乱のモンテカルロ」と同じくウーファ、エリッヒ・ポマー作品で、「狂乱のモンテカルロ」に次ぐハンス・アルバース主演映画である。脚本は「帰郷(1928)」のレオンハルト・フランクと「会議は踊る」のロベルト・リープマンが共同で書下ろし、「会議は踊る」で助監督を勤めたパウル・マーティンとハンス・ハインリッヒが協力して監督に当り、「会議は踊る」「狂乱のモンテカルロ」のウェルナー・R・ハイマンが作曲し、「狂乱のモンテカルロ」のギュンターリッタウが撮影した。アルバースの相手役は「女王様御命令」のケーテ・フォン・ナギが勤め、「秋の女性」のユリウス・ファルケンシュタイン、「予審」のハンス・ブラウゼウェッター、「拳闘王」のフリーダ・リヒャルト、イダ・ヴュスト等が助演する。
ふとした事の間違いから、素寒貧の電信技手ハンス・キュウネルトに大金が転がり込んだのが、きっかけである。心気一転した彼は、新しい人生の第一歩を踏出すのだ。大金の大半は、素晴らしい服装に費やされる。それから競馬で一攫千金という魂胆だが、それは見事に的が外れて、ハンスは再びもとの一文無し。だが、その代りに、競馬場で、ヘレンという美しい令嬢と近づきになる。相手は紐育の銀行家の一人娘だ。うっかり、貧乏技手ハンスの素性は打明けられない。誘われるままに、ハンスは令嬢と贅沢な晩餐を共に、その場はどうやら胡麻化してしまうが、明日までに食事代の二百マークを作らなくてはならない。そこで、彼はホテルで女中をしている母に、せびってみたが、母親は、ハンスをホテルに就職させてくれただけだった。ハンスは、その夜からホテルのダンスパートナーだ。肥ったお婆さん達を相手に踊るのも商売なら仕方がないのだが、その様子をヘレンに見られて、素性はすっかりばれる。二人の仲は、それっきりおしまいになりそうだ。だが、一旦は怒ってみたものの、ヘレンにとって、やはりハンスは忘れられない。ハンスも、それからホテルの電話交換手になっていた。二人は仲直りをした。身分は違っても、二人は愛し合っている。ところが、ここにまた一つの偶然が持上がった。それはハンスの為にヘレンの父親ポンタ氏が破産を救われた上に、数百万の金儲けをした事だ。もとはといえば、ホテルの電話交換手のハンスがポンタ氏に頼まれた電報を電信局に申込む事を失念したからなのだったが、瓢箪から駒が出た形でそれが却って幸せになったのである。かくてハンスはポンタ氏の信頼を一挙に捷ち得たので、全ては円満に解決してハンスはヘレンと莫大な財産を両手にしっかと握ったのである。
Hans Kuhnert
Helene
Ponta
Hunter
Hans Mother
Hotel Manager
Dresmake
Old Woman
Singer
監督
監督
脚本
脚本
製作
撮影
撮影
作曲
[c]キネマ旬報社