地の果てを行く
地の果てを行く
-

地の果てを行く

1935年公開、サスペンス・ミステリー
  • 上映館を探す
  • みたい
    0
  • みた
    0
評価、レビューが削除されますがよろしいでしょうか?

「にんじん」「商船テナシチー」「白き処女地」と同じくジュリアン・デュヴィヴィエの監督作品で、ピエール・マッコルランの小説に基づき、デュヴィヴィエ自身が「外人部隊(1933)」「ミモザ館」のシャルル・スパークと協力して脚本を書き卸した。主役は「白き処女地」「上から下まで」のジャン・ギャバンと「最後の戦闘機」「戦いの前夜」のアナベラとで、「白き処女地」のロベール・ル・ヴィギャンが重要な役を勤めて助演する。その他の出演者は「巴里祭」「最後の億万長者」のレイモン・エーモス、「最後の戦い」「栄光の道」のピエール・ルノワール、「上から下まで」のマルゴ・リオン、コメディー・フランセーズ座のシャルル・グランヴァル、「巴里の屋根の下」のガストン・モド、レーヌ・ポーレエ、助監督のカストロ・ブランコ等である。キャメラは「白き処女地」「戦いの前夜」のジュール・クリュージェ、が主として当たり、音楽は「商船テナシチー」「白き処女地」のジャン・ヴィーネとローラン・マニュエルとが担当した。スペイン領モロッコに出張撮影し、スペイン外国人部隊の援助を得て撮影された映画である。

ストーリー

パリモンマルトルの夜明け、サン・ヴァンサンの小路で夜遊び帰りの二人の男女が一人の男に突き当たったが、女がふと気がつくと彼女の着物に真っ赤な血がついていた。さては先刻の男は人殺しなのか。先刻の男とはピエール・ジリエトである。彼はパリを逃れてバルセロナの陋巷に身をひそめた。だが、この町には各国の密偵が一杯いるのだ。その上に、ジリエトはある酒場で同国人の無頼の徒のために有り金も旅券も盗まれる。密偵に追われ、無一文で空腹の彼は、こうした男の最後の行き場所、スペイン領モロッコの外国人部隊に身を投ずる。ここで彼に二人の同国人の友達が出来た。一人はアフリカ部隊の元喇叭卒でモンマルトル生まれのマルセル・ミュロオ、彼は気のいい男だった。もう一人はフェルナンド・リュカ、外国人部隊に入るには弱すぎる体をしているのだが、この男は妙に金を持っている。ジリエト達は荒涼たるモロッコに船で送られた。そこにセゴヴィヤ人の経営している酒場がある。ここでジリエトはリュカの身元証明書をチラと見た。さては此奴め密偵だな、と彼は思う。セゴヴィヤ人も実はリュカの仲間なのだ。リュカはジリエトの逮捕に莫大な懸賞金が掛けられているので、それを目当てに彼を跡けているのである。ジリエトはある日、遂にリュカと大喧嘩する。物の判った隊長ウェレルはリュカをジリエトの隊から他に転任させ、ジリエト達を更に奥地に送った。ビル・ヂェディドの酒場でジリエトは原住民の娘アイシャと知った。二人は激しい恋に陥ち、やがて血を綴り合って結婚する。リュカの蛇の様な眼から遠ざかったジリエトに始めて、ゆったりした幸福の日が訪れた。だが、他の部隊が此の地へ到着すると、その中にリュカが混じっていた。リュカもアイシャを恋する。そしてアイシャを誘ってジリエトが犯人かどうかを突きとめ様とした。だが、一方、ジリエトもアイシャにリュカが真に密偵か否かを探らせた。ジリエトを愛するアイシャはジリエトに彼が密偵なことを告げる。ジリエトはリュカを丘の上に決闘に誘い出す。強いジリエトはリュカを何なく叩き伏せる。だが、こんな犬を殺す気はジリエトにはない。時に原住民の蜂起だ。ウェレルはそれを防ぐために二十四名の決起隊を募る。そして荒廃した丘の上の小さな砦に、ジリエトもミュロオもリュカもたてこもる。ここは地獄だ。敵の包囲と、暑熱と、毒気とに次々と人々は死んで行く。ミュロオも死んだ。隊長も死んだ。残されたのはジリエトとリュカとの唯二人だ。今はリュカにジリエトに対する友情のみが残っている。しかし、援軍が到着というその瞬間、ジリエトは敵弾に命を落とすのである。それから数日の後、今は平服に装いを改めたリュカが淋しくアイシャを訪れた。ジリエトの死と遺言を彼女に伝えにである。

映画レビュー

まだレビューはありません。
レビューを投稿してみませんか?

コラム・インタビュー・イベント

ニュース

作品データ

原題
La Bandera
製作年
1935年
製作国
フランス
配給
東和商事
初公開日
1935年
製作会社
S・N・C
ジャンル
サスペンス・ミステリー


[c]キネマ旬報社