ピエール・リシャール・ウィルム
Jacques Bernis
「夜の空を行く」「夜間飛行」の原作者アントアヌ・ドウ・サンテクジュペリの同名の出世作小説の映画化で、作者自ら映画向きに改作して台詞を加筆し、H・G・リュステングが脚色したものからピエール・ビヨンとロベール・ブレッソンが協力して台本を作った。監督には「第二情報部」のピエール・ビヨンが当たり、サンテクジュペリが飛行指導に任じた。主役は「夜の空を行く」「外人部隊(1933)」のピエール・リシャール・ウィルムで「我等の仲間」「最後の戦闘機」のシャルル・ヴァネルを始め、「楽聖ベートーヴェン」のジャニー・オルト、「港の掠奪者」のアレクサンダー・リニョオ、「我等の仲間」のレイモン・エーモス及びジャック・ボーメー、「上から下まで」のポーリーヌ・カルトン、マルグリット・ピエリー、ガブリエル・ドルジア、バロン・フィス等が助演している。
アフリカ大陸の西岸を一線に貫く航空路カザブランカ・ダカール線の操縦士ジャック・ベルニスは幼馴染の従妹ジュヌヴィエーヴに呼ばれて休暇を貰い故国フランスへ帰る事になった。二人は昔結婚を夢見た仲であったが、彼が操縦士の職に就くと、激しい訓練と多忙な任務の為に彼女との間は遠ざかったのだった。彼女は今ではフランスのポーランド駐剳大使エルランの妻である。エルランは冷たく頑なな男の様に彼女には思えた。今夫婦はフランスに帰国し、ジュヌヴィエーヴが子供時代をベルニスと楽しく過ごした土地で一月を暮らす事となった。しかもこの土地は夫の意思によって今売り払われようとしている。彼女はこの土地で最後の逢瀬を楽しもうとベルニスを呼んだのだ。ベルニスがカザブランカを通過する時、二人の仲を知っている仲間のユベールは彼を引き止めたが、彼女と逢える喜びより外何も考えないベルニスは聞き入れなかった。こうして二人は逢ったがその時は土地は売られエルランは会議の為に滞在を切り上げて任地へ帰ろうと準備していた。その夜エルランは用件でロンドンへ発ったばかりだった。ベルニスはジュヌヴィエーヴを奪って二人は逃走した。二人だけになれた喜びに浸り切って何もかも忘れた彼と彼女はパリへ落ち着いたのも束の間、ベルニスは会社から電報を受け取った。一個の私的感情の為に義務を疎んじる事は出来ない。ベルニスは出発した。カザブランカで彼はユベールが熱地の砂漠に行方不明になった事を知った。自分がこんな禍難に会えば真っ先に救いに来るのはユベールだ。彼は砂漠へ飛行機を飛ばした。パリでジュヌヴィエーヴは年老いた伯母ソフィに助けられ宿屋の一室に隠れていた。淋しさに耐えられず彼女は長距離電話をかけた。お互いに言う事は判然と聞き取れず僅かに砂漠へ飛ぶ事が判った。ベルニスは探し廻った末やっと砂漠の真ん中に墜落しているユベールの機を発見した。彼を救って離陸しようとした時モール人に襲撃されフランス軍の要塞へ逃げ込んだ。ベルニスはジュヌヴィエーヴを想うとじっとして居れなかった。砂漠へ走り出し機体へ駈けつけた侭銃弾に倒れた。エルナンは彼の戦死に泣きぬれた若い妻を探し出した。やがて彼女もベルニスとは違ったエルナンの大きな愛を知る日があろう。砂漠ではベルニスの屍を乗せた飛行機が離陸しようとしている。ユベールが操縦桿を握って機体は地を離れた。こうして個人の悲劇を押しのけて航空路は引き続き通じているのだ。
Jacques Bernis
L'Ambassadeur Herlia
Genevieve
Hubert
Sophie
La Mere
Le Pere
Mathilde
Le Procureur
Le Sergent
Le Radio
Le Chef d'aeroport de Casablanca
Le Chef d'aeroport de Juby
Le Capitaine
Le Secretaire
Le Joailleur
La Patronne de la Pansion
L'Aubergiste
監督、台詞
原作、台詞、脚色
製作総指揮
撮影
撮影
音楽
音楽
美術
美術
台詞
脚色
[c]キネマ旬報社