マレーネ・ディートリッヒ
Alexandra
「沙漠の花園」「真珠の首飾り」のマルレーネ・ディートリッヒと「幽霊西へ行く」「三十九夜」のロバート・ドーナットが主演する映画で、「女だけの都」「ミモザ館」のジャック・フェーデが監督に当たったもの。原作は「失はれた地平線」と同様ジェームズ・ヒルトンの小説で、脚色には「シナラ」「晩餐八時」のフランシス・マリオンが任じた。助演者はアイリーン・ヴァンブルー、「描かれた人生」のハーバート・ローマス、ベイシル・ギル及びジョン・クレメンツ、「お気に召すまま」のオースティン・トレヴァー、其の他デイヴィッド・ツリー、フレデリック・カリー等の面々で、撮影は「女だけの都」のハリー・ストラドリング、装置は「お気に召すまま」のラザール・メールソン、音楽はミクロス・ローザが、それぞれ担当している。
1913年、ロシア帝国の首都サンクトペテルブルグに滞在中の若いイギリス人A・J・フォザリンギルは帝国主義攻撃の文を書いたかどで、四十八時間内にロシアを退去せよ、との命令を受けた。彼はイギリス諜報部員スタンフィールドに相談すると、ペーター・ウラノフと名乗らされ革命党員アクセルスタインに紹介された。彼が交わりを結んだ党員の一人が、内務大臣暗殺を企てて傷つき、A・Jのアパートに来て死んだ。其の為にA・Jはアクセルスタインと共にシベリヤ流刑を申し渡された。其のころ革命が勃発して、帝政は転覆した。暗殺された内務大臣の娘で、夫を戦争の為に失ったアレクサンドラは、カーリンスクの別荘に居たので死を免れた。一年後、A・Jはアクセルスタインと共に流刑を解かれ、アクセルスタインはカーリンスクの人民委員長に選ばれ、A・Jは次長となった。アレクサンドラは逮捕され、ペトログラードで取調べる事となりA・Jは護送役を命じられた。二人は農夫に変装してサラツルスク停車場へ辿り着いた。途中様々の難儀に遭ったが、A・Jは彼女を護り慰め励ました。アレクサンドラはいつかA・Jを恋する様になった。サラツルスクの町が白軍に奪還されたと聞いたA・Jは彼女を町に残して去ったが、赤軍が再び町を占領したので、彼は彼女を赤軍兵士に変装させて町を脱出させた。そして彼は初めて彼女も、彼が彼女を愛する如く、彼を愛してくれることを知って喜び勇み、最寄りの駅から国境へ行こうとした。彼等はカザンで怪しまれたが無事に通過し、サマラへ向かった。プーシュコフという青年が彼女の護送を命じられたが、彼は彼女に恋してしまって、恋成らざるを悲観し、彼女を赤軍に渡すよりは、と自殺し果てた。それから二人は困難の末サラトフに着いたが、アレクサンドラは疲労のため倒れてしまった。A・Jが医者を探しに行ってる間に、アメリカ病院の医師が白軍兵士と共に来て彼女を病院へ連れて行った。A・Jは白軍兵士にカーリンスクの赤色人民委員だと看破されて逮捕されたが、危ういところを逃れて中立地域たるアメリカ病院へ逃げ込んだ。そこで、アレクサンドラが二十分したら国境へ向かって発車する列車に移されたと聞きA・Jは駅に駈け付けて動き出した列車に飛び乗ったのであった。
Alexandra
A. J.
Duchess
Vladinoff
Colonel Adraxine
Axelstein
Maronin
Poushkoff
Stanfield
Forrester
Maid
Tomsky
Commissar
Station Master
Drunken Red Soldier
Bargee
White Officer
監督
原作
製作
撮影
音楽
音楽監督
セット
脚色
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