イザベル・ユペール
Marie
ナチ占領下の北フランス、ノルマンディを舞台に、平凡な主婦のたどる過酷な運命を描く人間ドラマ。製作はマラン・カルミッツ、監督・脚本は「ジャン・ポール・ベルモントの交換結婚」のクロード・シャブロル、共同脚本はコロ・タヴェルニエ・オヘイガン、撮影はジャン・ラビエ、音楽はマチュー・シャブロルが担当。出演はイザベル・ユペール、フランソワ・クリュゼほか。
第二次世界大戦、ドイツ軍占領下の北フランス、ノルマンディ。この街にもナチの脅威は迫っていた。ユダヤ人狩りによる親友のラシェル(ミリアム・ダヴィッド)の連行を知り悲嘆にくれるマリー(イザベル・ユペール)は、ある日隣に住むジネット(マリー・ブネル)の堕胎を手伝い、お礼に彼女から蓄音機をもらう。数日後、夫のポール(フランンワ・クリュゼ)が、傷痍軍人として復員してきた。しかし既にマリーの夫への愛情は、すっかり冷えきったものになっていた。その頃からマリーは、ふとしたことで知りあった美しい娼婦のリュシー(マリー・トランティニャン)の商売用に自分の部屋を貸してやるようになり、この副収入のおかげで次第に暮し向きが良くなってゆく。しかし相変わらず彼女のポールに対する態度は冷淡で、やがてマリーは、リュシーの常連客で今はドイツ軍のスパイをしているヤクザ者のリュシアン(ニルス・タヴェルニエ)と深い関係になる。そして違法の堕胎で金を稼ぐマリーは、もはや有頂天だった。しかし、そんな日々もつかのまの幸せに終わる。ある日帰宅したポールが、ベットで眠りこけているマリーとリュシアンの姿を目撃し、ついに妻の不正を匿名の手紙で警察に知らせたからである。こうしてマリーは逮捕された。そして彼女は異例にも、国家裁判所の法廷で裁かれることになる。折り悪しくも、ドイツ軍に占領され道徳観にこだわりだした国によって、彼女はみせしめとして国家反逆罪による極刑を求刑される。'43年6月、マリーはフランス最後の、女性のギロチン受刑者として、その生涯を終えるのだった。
Marie
Paul
Lucie
Lucien
Ginette
Jasmine
Rachel
Maitre Fillon
Colonel Chabert
監督、脚本、台詞
脚本、台詞
製作
撮影
音楽
美術
字幕
[c]キネマ旬報社