ヴァーツラフ・ネッカーシュ
Pavel
社会主義国家の建設が進む中でのチェコスロヴァキアの冬の時代をしたたかに生きぬこうとする人々の姿を描く作品。製作はユラチェック・クチェラ、監督は「スイート・スイート・ビレッジ」のイルジー・メンツェル、脚本は原作者のボフミール・フラバルとメンツェルの共同、撮影はヤロミール・ショフルが担当。出演はヴァーツラフ・ネッカーシュ、ルドルフ・フルシンスキー、イトカ・ゼレノホルスカーほか。
一九四八年チェコ。社会主義国家の建設に馴染まない者を再教育するためのスクラップ工場では七人の男たちが働かされていた。彼らはブルジョワぞろいというわけではなく、どちらかといえば庶民の側の者ばかりだ。その中でも一番若いユダヤ人のもとコック、パヴェル(ヴァーツラフ・ネッカーシュ)はいつも監視役の職場代表(ルドルフ・フルシンスキー)にたて突いてばかりいる。そんなある日パヴェルは工場に隣接する国外脱出を試みようとした女たちを収容する施設の若い女、イトカ(イトカ・ゼレノホルスカー)に恋をする。二人の仲は順調に進み、職場代表の承認を得て形式的ながらも結婚式が挙げられる。一方表面的にはのどかな工場にも風が吹き始めた。仲間の哲学教授は党の宣伝教育係に議論を吹きかけ連行される。そしてついにパヴェルも党幹部の歓迎会の席で連行された仲間のことを訪ねたことが災いして、拘束されてしまった。先に連行された仲間たちと再会したパヴェルはいつかは真実が解ることを確認し合い、イトカの目前で新たな労働へ向けて連れ去られていった。
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