イ・ミスク
Anhyup
日本占領下の朝鮮の山村を舞台に、何人もの男と肌を重ねる若妻の姿に民族の生の姿を重ね合わせて描いた人間ドラマ。製作はイ・テウォン、監督はイ・ドゥヨン、脚本はナ・ドヒャンの原作を基にユン・サムニュク、撮影はソン・ヒョンチェ、音楽はチェ・チャングォンが担当。出演はイ・ミスク、イ・デグンほか。
一九二〇年代、半島のある寒村。村一番の美人アンヒョプ(イ・ミスク)は賭博好きで年に数回しか家に帰らない夫サムボ(イ・デグン)に金を渡すために、桑の実の収穫を引き受けるが、村の男たちはそんな彼女に言い寄り、彼女も良心の呵責を感じながらも生活の苦しさから金と引き換えに体を許していく。しかしそれが村の女たちの知るところとなり、長老が追放を告げにいくが、彼女の魅力の前に骨抜きにされ、引き下がってしまう。そんな中、アンヒョプにしつこく言い寄りながら相手にされないサムドル(イ・ムジョン)が腹立ちまぎれに全てをサムボに話してしまう。サムドルを殴り倒したサムボはアンヒョプを問い詰めるが、全ては自分が置いてけぼりを食わせたことが原因だと彼女を許し、また都会へと去っていく。しかし実は彼は抗日レジスタンスの闘士で、その後ろ姿を日本軍の若い憲兵が追っていった。
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