ロバート・ギンティ
Farley Wood
莫大な強奪事件に絡み殉職した外交官の妻子のボディガードを務める刑事が、巨大麻薬シンジケートと激しい銃撃戦を繰り広げる一方、裏に潜む人物に迫っていくバイオレンス・アクション。エグゼクティヴ・プロデューサーはトニー・ベネット、監督は「ブリッジ・トゥ・ヘル」(86年・未公開)のハンフリー・ハンバート、原・脚本はレイモンド・ボルト、撮影はジャンカルロ・フェランド、音楽はロバート・スコットが担当。出演はロバート・ギンティ、チャールズ・ナピアーほか。
マイアミ市警のファーレー・ウッド(ロバート・ギンティ)は、南米クリストバルで地元の麻薬シンジケートと闘い殉職した外交官トレントの追悼式に出席する妻子のホディガードに任命された。クリストバルの人々は英雄である外交官の遺族を熱狂的に迎えたが、恨みを特つシンジケートにより幼い娘プリシラ(ニーナ・スー・ボレール)が誘拐されてしまう。トレント夫人(バーバラ・ビンガム)になじられ、地元の警察署長ロドリゲスからも厄介者扱いされたウッドは単独で捜査を進め、シンジケートのボス・ベイナドの存在を突き止める。一方犯人グループからトレントが隠した1200万$の返還を要求された夫人は、はじめ訳がわからなかったが、数日後夫が本当に持ち逃げをしたことを知り、ウッドもまた別ルートでこの事実を掴んだ。混乱した夫人を慰め人質交換の場所を聞き出したウッドは銃器フル装備で待機し、金とプリシラの交換が終わると攻撃を仕掛け、激しい銃撃戦が繰り広げられたが、その時上空のヘリからロドリゲスが降り立ちペイナドを射殺、金を奪い去った。ロドリゲスは金を持って米国大使グレンジャー(チャールズ・ナピアー)の許を訪れたが、グレンジャーは金を受け取ると同時にロドリゲスをヘリもろとも爆破。ウッドは総てを察したが、グレンジャーは夫人らに「すべてはロドリゲスの単独犯行」と説明、外交官特権をかざし事件を揉み消した。見せかけだけの英雄トレントの追悼祭は、グレンジャーまでもが何喰わぬ顔で出席し大盛況のうちに終わったが、ウッドは権力への怒りを感じつつ帰国の途についた。そしてマイアミに到着したウッドを待っていたのは、クリストバルの大使グレンジャー暗殺のニュースだった。
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