レナーテ・クレスナー
サニー
社会主義国の管理社会という、東ドイツの当時の現実を絡ませた、女性の自立のドラマ。監督はコンラート・ヴォルフとヴォルフガング・コールハッセの共同で、コールハッセの脚本をディーター・ヴォルフが脚色。主演のレナーテ・クレスナーは80年のベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。特集上映の東西ドイツ名画傑作選において公開された。
二流バンドの専属歌手である25歳のサニー(レナーテ・クレスナー)は安アパートでうらぶれた暮らしをしていた。近所の人々は不規則な生活の彼女に不審の目を向けている。サニーはバンド仲間のノルベルト(クラウス・ブラッシュ)から言い寄られ、また恋人のハリー(ディーター・モンターク)からは結婚を望まれていたが、彼女は何よりもソロ・シンガーとして自立することを夢見ていた。そんな彼女の前にアマチュア・サックス奏者のラルフ(アレクサンダー・ラング)が現れ、いっとき彼女の人生に希望をもたらすが、結局は彼女の肉体しか求めない男とわかる。さらにバンドには新しい女の子が入り、サニーはクビになった。職場を探し歩き、ようやく場末の酒場でソロ・シンガーの仕事を見つけるがとうてい彼女の希望にかなうようなものではなく、サニーは失望の果てに自殺をはかる。自殺は未遂に終わったが、いよいよ希望のない彼女に昔の労働者仲間が救いの手をさしのべ、再び工場労働者に戻れるかどうかチェックを受けることとなった。だが結局サニーは、工場へは行かずに何とかソロ・シンガーとしてやっていこうとする。
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