ロレダーナ・ロミート
Sylvia
日々の生活に孤独と不満を感じていた人妻が、偶然出会った若い男の出現により、自分でもそれまで気づかなかった本性にめざめ、やがてそれは夫に対する殺意へとエスカレートしてゆくエロティック・サスペンス。
高級リゾート・ホテルを経営するパウロ(ジェームズ・ビルアリー)と妻シルヴィア(ロレダーナ・ロミート)の夫婦仲は冷え込んでいた。ある日、シルヴィアの前に、若さの魅力に溢れる青年アレシオ(ジョン・アームステッド)が現れ、シルヴィアはすっかり彼に魅了されてしまう。やがて彼への愛は、夫パウロに対する殺意を生み出すことになる。ついにはパウロを事故に見せかけて殺害することに成功するが、そのことをアレシオと関係のあったメイド・コセッタ(アン・マーガレット・ヒューズ)に脅される。シルヴィアはコセッタを射殺するが、アレシオはコセッタの死に涙を流した。アレシオは、シルヴィアではなくコセッタを愛していたのだった。アレシオが自分に近づいてきたのは金目当てだったと知ったシルヴィアは、夢に描いた愛の幻想に絶望し、もつれ合った末にアレシオを射殺し、呆然としたままひとり立ち尽くすのだった。
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