アドルフ・グリーン
ジョーイ
アラン・レネ監督のカルチャー・ギャップ・コメディ。脚本がアメリカの漫画家で「愛の狩人」の脚本家でもあるジュールス・ファイファー、俳優陣の大部分がブロードウェイ勢という、どこかアメリカが匂うコメディの中に、レネ監督は自分捜しのテーマを潜ませている。89年ヴェネチア国際映画祭脚本賞受賞。
アメリカの人気漫画家ジョーイ(アドルフ・グリーン)は国際コミック・アート展に出席するため、恋人リーナ(リンダ・ラヴィン)とパリにやって来た。2年前パリに留学したきりの、別れた妻との娘エルシー(ローラ・ベンソン)に会うのが本当の目的だ。外国嫌いのジョーイは到着するなり文句ばかり。「家に帰りたい」と繰り返す。アート展で、ジョーイはアメリカン・カルチャーに詳しいフランス人教授ゴーティエ(ジェラール・ドパルデュー)と知り合い、彼の母イザベル(ミシュリーヌ・プレール)の田舎の屋敷に招かれた。ゴーティエに憧れるエルシーもふたりの後を追う。屋敷にはほかの客も大勢いて、複雑な人間関係が展開。うんざりしたジョーイは村に逃げ出し、村人と漫画で会話するうち、そこが好きになってきた。イザベルにも気を引かれた彼は、しばらく滞在することにした。仲の悪かったエルシーとリーナは仲良くアメリカに帰っていくのだった。
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