リンジー・ダンカン
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アメリカの田舎町を舞台に、ひとりの少年の目から見た狂気に満ちた出来事を美的な映像文体で綴った幻想譚。監督・脚本は画家・小説家として知られ、本作が映画初演出となるフィリップ・リドリー。製作は「ザ・クレイズ 冷血の絆」のドミニク・アンチアーノとレイ・バーディス、撮影はディック・ポープ、音楽は「ストラップレス」のニック・ビカットが担当。デジタルリマスター版が2024年10月4日より劇場公開(配給:コピアポア・フィルム)。
1950年代アメリカ、アイダホ州(ただし、映画中では明示されない)の田舎町。黄金色の麦畑に囲まれたこの土地で育った7歳の少年セス(ジェレミー・クーパー)は、町はずれの邸宅にひとりで住む未亡人ドルフィン(リンジー・ダンカン)に友達のイーベン、キムらと一緒にいたずらでカエルの血を浴びせてしまう。母親ルース(シーラ・ムーア)に叱られて、セスは謝りにドルフィンの家を訪れる。家の中は動物の骨だらけで、その存在も不気味なドルフィンのことを、セスは吸血鬼だと思い込むようになった。その夜、イーベンが行方不明になり、翌日、セスの家の裏庭にある井戸で死体が発見される。セスはドルフィンを疑うが、警察の容疑はかつて少年愛の傾向があったとされる、セスの父ルーク(ダンカン・フレイザー)にかかり、彼はセスの目の前で自営のガソリンスタンドに火をつけて焼身自殺を遂げる。悲報をきいてセスの兄キャメロン(ヴィーゴ・モーテンセン)が軍務から戻ってくる。ドルフィンと出会ったキャメロンは恋におちていく。彼は血を吸い取られるように衰弱していくようだ。そんな折、セスはキムが黒服の男たちに車で連れ去られるのを目撃する。キムは死体になって発見され、セスはこの事件もドルフィンの仕業だと信じようとするが、ある日、ドルフィンもまた黒服の男たちに連れられ、セスの目の前で姿を消した。やはり死体で発見されたドルフィンの前で泣き崩れるキャメロンの姿を見たセスは、自分の思い込みが見当違いだったことを知る。
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