エステル・テイラー
Lady_Raffles(Miss_Lane)
「ドン・ファン(1926)」「十誡(1923)」等に出演したエステル・テイラー嬢の主演する映画で、ジャック・ジャングマイヤー氏とフレッド・スタンリー氏との書いた原作を、アール・ハドソン氏が脚色し、「暗黒の楽園」「アリゾナの快男児」等と同じくロイ・ウィリアム・ニール氏が監督したものである。相手役は「ラモナ(1927)」「弥次喜多消防の巻」等出演の ローランド・ドリュー氏と「陽気なパリ子」「世話女房」等出演のリリアン・タッシュマン嬢との2人で、他にアーネスト・ヒリアード氏、ウィニフレッド・ランディス夫人も出演でいる。
レディ・ラッフルズはある夜忍び入って金庫を開けている所を探偵に発見され隣家の裏口より逃げようとした。ところが、この家の者に新たに雇入れることになっている女中だと間違えられ、その侭その家で使はれその夜にさし迫っている宴会の手助けをすることになった。程なく探偵はこの家へ来て主人のブレイク夫人と息子のウォレンとに、この辺りに盗賊が忍び入っているから注意する様に云って来た。ところがブレイク夫人は息子からの贈物である高価な首飾を持っていたので心配すること一通りではない。新聞もこの首飾のことを書き立てていたので、宴会にはディックとリリアンとの2名の有名な宝石専問の盗賊が客に混ってやって来ていた。レディ・ラッフルズはこの2人に宝石を盗ませまいとする。2人は相手がラッフルズと知って、ここに3人の間に智恵比べが行われた。一方、ラッフルズとウォレンとは親しくなって行き、ラッフルズは自分が女中ではないことを打ち明ける様になり、2人は恋に陷るが、ディックとリリアンとは仕事の邪魔をされた口惜しさから、あるカフェでラッフルズとウォレンとが夕食を共にしている所を狙い、ラッフルズの本性をぶちまける。これはラッフルズとウォレンとの間に一時の隙を作ったが、直ぐに2人の間に了解が出来て、翌日は結婚しようという約が成立する。が、その翌朝になるとラッフルズにはブレイク夫人の首飾盗難の嫌疑がかかった。がそれを首尾よく逃れて彼女はディックとリリアンとの許に行き、彼らが盗んだ首飾を取り戻して来る。レディ・ラッフルズこそは実はスコットランド・ヤードの秘密探偵であったのだ。そして本物のレディ・ラッフルズこそはリリアンであったのだ。ラッフルズことレイン嬢はウォレンと結婚する。
Lady_Raffles(Miss_Lane)
Warren_Blake
Lillian
Dick
Mrs._Blake
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