カッスル夫妻
カッスル夫妻
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カッスル夫妻

1939年公開、89分、伝記
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「気侭時代」に次ぐフレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース主演映画。アイリーン・カッスルが書いたヴァーノン・キャッスルと彼女自身の伝記・追想の書2篇を骨子として「スイング」「ショウ・ボート(1929)」のオスカー・ハマースタイン2世と「世界の歌姫」のドロシー・ヨーノトとがストーリーを立て、「世紀の楽園」「四人の復讐」のリチャード・シャーマンが脚色し、「牧童と貴婦人」「市街戦」のH・C・ポタが監督に当り、「ステージ・ドア」「気侭時代」のロバート・デグラスが撮影した。助演者は「天晴れテンプル」「恋の挽歌」のエドナ・メイ・オリヴァー、「テキサス人」「牧童と貴婦人」ウォルター・ブレナン、舞台の喜劇俳優ルー・コディ、「ロイドのエジプト博士」のエチエンヌ・ジラルド、「大都会」のジャネット・ビーチャーその他。

ストーリー

1911年のこと、しがない喜劇役者のヴァーノン・カッスルは、海水浴場でアイリーン・フートという娘と知合いになり、彼女の舞踊熱と向上心に刺激され、将来舞踊家として立つ決心をする。2人は数ヵ月に渡って舞踊を研究し練習するが、それは前人未踏の新領域で、社交ダンスの形式を舞台に生かそうとする試みがあった。踊の完成した頃2人の愛情にも花が咲いて結婚する。そしてその踊をヴァーノンの属する一座の座長ルウ・フィールズに見せるが、彼は頭が古いので、一顧もくれなかった。たまたま来合わせていた仏人の興行師と契約し、フート家の下男ウォルターをマネージャーとして3人はパリへ渡ったが、期待に反して興行師は従来と同じ下等な茶番狂言を強いるので、出演を断った2人は生活に窮して惨憺たる苦心をなめるが、マギー・サツーンという慧眼な女興行師の目にとまり、パリ一流の「キャフェ・ド・パリ」で新様式の舞踊「カッスル・ウォーク」を発表した。これは一夜にしてパリ中の評判となり、夫妻は引張りだこの人気者となった。かくて2人はアメリカへ帰り、全国を巡業したが、短日月のうちにその新しい形式と魅力は全米を圧倒した。「タンゴ」「フォックス・トロット」「ポルカ」その他の踊りを、夫婦は芸術的な舞踊として紹介した。間もなく欧州大戦が勃発すると、英人たるヴァーノンは直ちに英国飛行隊に参加して戦線に立った。アイリーンは夫の留守中、映画界に入って色々な作品に主演したりしたが、アメリカが参戦するに及んで、彼女は大いに銃後の務めに努力する。2年間を戦線で送ったヴァーノンは、1917年、米軍飛行家の教官としてテキサスへ帰った。アイリーンが久し振りで面会に来る日、彼は旅館の特別室を借り、思い出の曲の演奏を頼んで飛行隊の空中分列式に参加した。その時空中で僚機が進路を誤って彼の機に近づいたので、ヴァーノンは衝突を避けるため急上昇をしたが、その結果機体に故障を起して不幸にも墜落惨死をとげた。その夕刻、旅館で彼を待ちわびているアイリーンの許へ、ウォルターが悲報をもたらした。何も知らないオーケストラは思い出の曲を次々と演奏している。アイリーンは悲しみの底にありながらも、この曲を聞くと、夫の創作した舞踊を消滅せしめてはならぬ、故人の妙技を守り伝えることが、自分の今後に残された道であろうと雄々しくも悲しい決意をかためた。

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作品データ

原題
THE STORY OF VERNON AND IRENE CASTLE
製作年
1939年
製作国
アメリカ
配給
RKO支社
初公開日
1939年
上映時間
89分
製作会社
RKOラジオ映画
ジャンル
伝記


[c]キネマ旬報社