ハビエル・バルデム
Benito
女を手玉に取り、のし上がろうとする男の出世と欲望、そして挫折を描いたドラマ。監督は「ハモンハモン」「ルルの時代」のビガス・ルナ。製作は同作や「ベルエポック」のアンドレス・ビセンテ・ゴメス、脚本は「ハモンハモン」のクーカ・カナルスとルナ、撮影は「ベルエポック」のホセ・ルイス・アルカイネ、音楽は「フィオリーレ 花月の伝説」のニコラ・ピオヴァーニが担当。出演は「ハモンハモン」のハビエル・バルデム、これが映画デビューとなるエリザ・トゥアテイ、「パルプ・フィクション」のマリア・デ・メディロス、「アマンテス 愛人」のマリベル・ベルドゥーほか。
強靱な肉体を持った男、ベニト・ゴンサレス(ハビエル・バルデム)は、自分の名前を掲げた魔天楼を建て、人生最愛の女リタ(エリザ・トゥアティ)と結婚するのが夢だ。しかし、リタが自分の親友ミゲル(アレッサンドロ・ガスマン)と陰で関係を持っていることを知ると、彼女から離れる。3年後、ゴンサレスは小さな不動産会社のオーナーになっていた。しかし、カネ回りが悪い。そこで、取り引き相手の銀行員フォルク(アルベルト・ビダル)に自分の愛人クラウディア(マリベル・ベルドゥー)を抱かせてやることで融資させようとするが、当のクラウディアを説得できない。結局、ゴンサレスはフォルクの娘マルタ(マリア・デ・メディロス)と結婚し、“ゴンサレス・タワー”の建設に着手する。ゴンサレスはクラウディアとの関係を続け、クラウディアもマルタもゴンサレスに不信を感じ始める。そこで、彼はクラウディアを家に招き、3人でベッドを共にするという大胆な行動に出た。逆にクラウディアとマルタは意気投合し、マルタはクラウディアに女優の道を開いてやることにする。女優への門出のパーティの後、ゴンサレスたちは自動車事故に遭い、クラウディアは死亡、ゴンサレスは重傷を負う。しかも、彼が回復し始めた頃、都市議会がビルの認可を撤回し、ビルを取り壊すと脅しをかけてきた。そんな折、ゴンサレスは魔性の女、アナ(ラチェル・ビアンカ)に手を付けた。今度はさすがのマルタも許さず、彼女は離れてゆく。ビルは取り壊され、銀行との取り引きも凍りつき、ゴンサレスはアナと共にマイアミへと移る。3年後、ギャンブル好きのアナはゴンサレスの有り金を使い果たし、しかも雇い庭師との関係を持っていた。ゴンサレスはアナに完全に手玉に取られていたのだ。
Benito
Rita
Marta
Claudia
Ana
Miguel
Folch
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