アニタ・ムイ
メイ
“東洋の魔都”上海を舞台に、1930~40年代の激動の時代、ひとりの女と2人の男の運命の変遷をめぐり繰り広げられる大河メロドラマ。監督はアン・ホイの「望郷(1982)」ほかの美術を担当した後、監督業へ転身したトニー・オウ。彼は「夢中人」ほか耽美的な作風で知られている。また、ヒロインには、歌手でもある「酔拳2」のアニタ・ムイが扮し、劇中で歌も披露している。彼女の恋人役として「大英雄」のレオン・カーフェイ、そして日本から「どついたるねん」の赤井英和が共演している。
1941年12月、太平洋戦争勃発数日前。上海。米英仏に続き、列強の仲間入りを果たした日本の進出はこの都市でも目覚ましかった。そんな日本を従来対立していた国民党と共産党は共通の敵として目するようになっていた。抗日運動に身を投じるシェン(レオン・カーフェイ)は裏町で見かけた日本の刺客日川(國村隼)を追ってあるクラブへと足を踏み入れる。そこで彼は北京大学時代の恋人、メイ(アニタ・ムイ)が歌手としてステージに立っているのを見る。彼女を熱い眼差しで追う男がもうひとりいた。クラブの経営者であるメイの父親の友人、日本軍の将校野口少佐(赤井英和)だった。シェンは目あての刺客を始末することに成功するが、そこへ秘密警察のティエがやってくる。彼は時勢を読んで日本軍の手先となって働いていた。ピンチに陥ったクラブは野口のとりなしで事なきを得る。シェンはメイと再会するが2人は心を通わす間もないまま別れる。シェイを逃がす算段を組んだのも野口だった。ずっとシェイを愛し続けていたメイはやがて野口に頼み、彼と会い情を交わす。彼女は妊娠するが、シェイとはそれきり、やがて起こった日中戦争の中、別れ別れとなる。悲しみにくれるメイを野口は陰日なたに支える。その間にメイの父は秘密警察に拘留され獄中で病死し、義母はかねてから不倫の関係にあったティエと同居をはじめ、行き場のなくなったメイに野口は求婚する。そんな折、抗日組織はメイと野口の暗殺命令を下す。シェイは2人を救うため、あえて野口の足を撃ち、彼を傷痍軍人として日本に帰還させることでメイと生まれていた自分の子供の命を救おうと図る。メイはシェイが死んだと聞かされていたこともあって日本に行くことに決める。そして数年後、終戦。ティエは日本軍の手先というかどでリンチにあい群衆に殺され、偶然その場を通りかかったシェイはリンチをうける寸前だったメイの義母を救い、彼女からメイの居所を聞き出す。シェイは日本へ向かい、野口の元を訪ね、メイと自分の息子を迎えに来たと告げる。しかし野口は自分こそがメイを本当に愛し、今後も守っていく権利があると拒否し、さらにメイも野口と共に生きると涙ながらに決意を語った。最愛の人とわが子を失ったシェイは、いつの日かまたメイに会える時は来るのだろうかと思いをはせるのだった。
監督
脚本
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製作
製作総指揮
撮影
撮影
撮影
撮影
音楽
音楽
美術
編集
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スタント・コーディネーター
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スタント・コーディネーター
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