フランソワ・クリュゼ
Serge
息子の失踪事件という特異な状況を主軸に、現代社会における家族のあり方を問う異色の人間ドラマ。「秘密の花園」のポーランドの女流監督アグニエシュカ・ホランドが、偶然目に止めた新聞記事をヒントに脚本を書いて監督。製作はマリー・ロール・リール。撮影は「ア・マン・イン・ラブ」のベルナール・ジツェルマン。音楽は「ダメージ」のズビグニエフ・プレイスネル。出演は「めざめの時」のグレゴワール・コラン、「小さな旅人」のマリナ・ゴロヴィーヌ、「愛と哀しみのボレロ」のブリジット・ルアン、「ラウンド・ミッドナイト」のフランソワ・クリュゼなど。
デュヴァル家は、フランスの田舎町に住むごく普通の一家。獣医の夫・デュヴァル(フランソワ・クリュゼ)と専業主婦の妻・エリザベト(ブリジット・ルアン)の間には、娘のナディーヌ(幼年期=フェイユ・ガトー、思春期=マリナ・ゴロヴィーヌ)とその弟で八歳になるオリヴィエ(エマニュエル・モロゾフ)という二人の子どもがいた。エリザベトは異常なまでにオリヴィエを溺愛していた。ある日、オリヴィエは一人で住んでいる祖母の家に弁当を届けに出かける。ところが、夕方になっても戻らず、警察も出動して近辺をくまなく捜すが、その後オリヴィエの姿を見た者は誰もいなかった。家出か誘拐か、それとも殺されてしまったのか……。この事件をきっかけに、家庭は崩壊していく。父は単身、アフリカの僻地に旅立ち、母と娘だけの生活が始まった。何の手がかりも得られぬまま、いたずらに時は過ぎていく。事件当時、「あきらめずに必ず息子さんを捜し出します」と言ったドゥルオー警部(ジャン・フランソワ・ステヴナン)もパリに転勤になってしまう。事件から六年が経ったある日突然、エリザベトのもとへパリの警部から電話がかかってくる。オリヴィエらしき少年(グレゴワール・コラン)が見つかったというのだ。しかも、男娼館で売春容疑で連行されたというのだ。パリに飛んだエリザベトは少年に対面し、自分の息子であることを確信する。だが、一緒に暮らすようになったエリザベトとオリヴィエの間にはぎくしゃくした感じが残り、やがてドゥルオー警部がオリヴィエの謎を解く。実は六年前にオリヴィエは近所の幼児性愛者の青年マルセルに殺されており、見つかった少年は別人だったのだ。
Serge
Elisabeth
Olivier
Olivier petite
Nadine
Nadine_Petite
Marcel
L'inspecteur_Druot
監督、脚本
製作
撮影
音楽
美術
衣装デザイン
字幕
[c]キネマ旬報社