ロレッタ・ヤング
Lady_Helen_Dearden
「野性の叫び(1935)」「十字軍」のロレッタ・ヤングと「青春の抗議」「断固戦うべし」のフランチョット・トーンが主演する映画で、ラディスラス・ウォドール作の戯曲に據って「ターザンの復讐」と同じくハワード・エメット・ロジャースとレオン・ゴートンが協力脚色し、「オペラは踊る」「逆間諜」のサム・ウッドが監督にあたり、「街の花嫁」「スウィート・ミュージック」のジェイムス・ヴァン・ツリースが撮影した。助演俳優は「地獄への挑戦」のルイス・ストーン、「人生は42から」のローランド・ヤング、「巴里は夜もすがら」のジェシー・ラルフ、「巨人ジョーンズ」のダッドリー・ディッグス、ヘンリー・ダニエル、ロバート・グリーグ、E・E・クライヴ等である。
アラン・ディアーデン卿は若手の検事として聞こえ、近く検事総長に栄転すると噂されていた。ディアーデン卿夫人ヘレンの仲は人も羨むほどの睦まじさであったが、ある時卿の邸で開かれた舞踏会で、ヒュー・ルイスという男が夫人にこんなことを囁いた。ヒューの妻ダイアナはかつて学生時代のディアーデンの恋人であった。ヒューは現在ディアーデンからダイアナに寄せた恋文を持ってる。それを発表すれば卿の社会的地位は危ないものだ、というのである。ヘレンは彼の申し出に従って夫には内緒で恋文を買い取ることにした。約束どおり彼女は金を持ってドーヴァーへ行った。海峡の崖の上に手紙が隠してあるのだ。彼女が手紙を取ったとき、危い岸壁の上に立っている女を見た。女の主人らしい者が「危ないからこちらへお出で」という声だけが聞こえてきた。それから間もなくディアーデンはメトフォードという男を、保険金を取る愛妻をドーヴァーの岸壁から突き落とした嫌疑で起訴した。それがヘレンが聞いた声の主だったのである。「危ないからこちらへ来い」と言ったという彼の言葉は認められなかった。しかしヘレンはその言葉を聞き彼の無実を知っているのだ。だが彼女がそれを言えばドーヴァーへ行ったことが知れ、ひいては夫の秘密がわかってしまうのだ。ヘレンが躊躇している間に、今度はディアーデンがダイアナから手紙を貰って彼女の家へい行った。ダイアナは彼を脅迫して金にするつもりだったのである。ところが彼が帰ったあとでダイアナは何者かに殺され嫌疑は当然ディアーデンにむけられる。ヘレンは決心して次の日法廷に立ち、メトフォードの無実を証言し彼は自由の身となった。しかしこのためディアーデンの嫌疑はますます深められ、ついにローレンス警視総監の部下に拘束されたが、彼は自己防衛のため彼女を殺したと自白した。自己防衛であるか否かは一にダイアナの夫ルイスの証言如何にあった。ヘレンはふたたび彼に大金を与え証言を求めたので、彼は出ていったが、実はこれこそ当局の懸けた罠でルイスは自分がダイアナ殺人犯人であることを暴露してしまった。
Lady_Helen_Dearden
Sir_Al n_Dearden
General_Lawrence
Bunny
Lady_Hathaway
Metford
Hugh_Lewis
Henderson
Lord_Hathaway
Defense_Counsel
Dianna_Rogers
監督
原作
製作
撮影
音楽
脚色
脚色
脚色
[c]キネマ旬報社