ティトー・アース
Fermin
アルゼンチン軍政時代に死んだと思われていた男と、彼を十三年間待ち続けた恋人との悲劇的な愛を描いた作品。監督・脚本は「フィガロ・ストーリー」のアレハンドロ・アグレスティ。エグゼクティヴ・プロデューサーはファン・コリーニ、「プロスペローの本」のキース・カサンダー、同作のデニス・ウィグマン、アンドレ・ベネット、ブリゲッテ・ヤング。撮影はリカルド・ロドリゲス。音楽はパウル・M・ファン・ブルッゲが担当。
アルゼンチン、ブエノスアイレスの路上を全裸の男が走っている。警官に捕られられた男は記憶を失っていた。取り調べを受けるうちに、彼は十三年前、軍政時代に死んだはずの組合活動家フェルミン・ガルシア(ティトー・アース)だと判明する。釈放されたフェルミンは少しずつ記憶を取り戻し始め、十三年前に結婚の約束を交わした恋人トタ(ミルタ・ブスネッリ)のことを思い出す。彼女に会うためアルゼンチン北部の町に向かったフェルミンは、バスの運転手からトタと思われる女性がバスターミナルに新聞スタンドを開いて“彼”を待ち続けていることを聞かされる。町に着くとフェルミンは、トタの店を尋ねるが、トタは彼が誰だか分からない。フェルミンは町に留まるため、アルベルト・ガルシアという偽名で田舎料理店でのピアノ弾きの職を得た。一見穏やかに見えるこの町は、神父(ナターン・ピンソン)ら封建的な権力者によって支配されていた。店の客であるレアンドロ(エリオ・マルキ)とマルセロは同性愛者で、神父たちに兄弟と名乗ることを強要され、教師の職も奪われ、町社会から隔離されていた。フェルミンは名乗らないままアルベルトとしてトタに近づき、トタはフェルミンその人と気づかぬまま、彼女を温かく見守るアルベルトに心惹かれていった。ところが神父がフェルミンの過去を知ってしまい、神父に脅かされたフェルミンは彼を殺してしまう。自分の身代りに友達のピピ(セルヒオ・ポペス・カムポス)が逮捕されたのを見たフェルミンは、犯行を認めた書き置きを残し、トタの家に向かう。二人は秘密の結婚式を挙げるため、町を抜け出すが、途中でフェルミンは警察に逮捕されて、車で連れ去られる。その車を追いかけるトタ。その光景は十三年前のあの日とまったく同じであった。
Fermin
Tota
Pipi
Priest
Dona_Patricia
Leandro
Merello
監督、脚本
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
製作総指揮
撮影
音楽
編集
字幕
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