ペネロペ・クルス
シルヴィア
青空が拡がるスペインの片田舎を舞台に、六人の男女によって展開する恋愛ドラマ。監督は工業デザイナー出身で、「ルルの時代」のビガス・ルナ。エグゼクティブ・プロデューサーは「マタドール〈闘牛士〉炎のレクイエム」のアンドレス・ビセンテ・ゴメス。脚本はルナとクーカ・カナルス。撮影は「アタメ」のホセ・ルイス・アルカイネ。音楽は「無防備都市 ベイルートからの証言」のニコラ・ピオヴァーニが担当。出演は「髪結いの亭主」のアンナ・ガリエナ、新人のペネロペ・クルス、「鍵」のステファニア・サンドレッリ、スペインの名優のひとりであるファン・ディエゴ。九二年度ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。
小さな町に住む魅惑的な少女シルヴィア(ペネロペ・クルス)と大手下着メーカー社長マヌエル(ファン・ディエゴ)の息子ホセ・ルイス(ジョルディ・モリャ)は恋人同志。シルヴィアの母カルメン(アンナ・ガリエナ)は街道沿いの売春宿を切り盛りしている。ある日、ホセがシルヴィアを妊娠させてしまったことが発覚する。ホセを溺愛する母コンチータ(ステファニア・サンドレッリ)は二人を結婚させてなるものかと、闘牛士を夢見る美少年ラウル(ハビエル・バルデム)を下着モデルとして雇い、シルヴィアを誘惑させようと罠を仕掛けるが、どうしたことかコンチータは、ラウルの肉体に自ら溺れていってしまう。しかしラウルは、シルヴィアに強く魅かれていた。コンチータの横槍でホセとの間がしっくりいかないシルヴィアは、再三ラウルのアプローチにも冷たい態度で接していた。ある日、カルメンとシルヴィアが可愛がっていた子豚が、二人の目の前でラウルのバイクに跳ねられて死んでしまう。しかしシルヴィアが駆け寄ったのはラウルの方だった。この事件を発端にして、この六人の男女は、自らの抑制してきた欲望を剥き出しにする。マヌエルに父性を求めるシルヴィア。ホセはカルメンに身を委ね、ラウルはシルヴィアへの想いよりも、コンチータが呟く富と名声の誘惑に酔っていた。そして、ホセとラウルはハム工場で決闘し、大きなハムの塊で殴り合い、ホセは死んでしまうのだった。
監督、脚本
脚本
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
録音
台詞
字幕
字幕監修
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