マチルド・アルタラツ
Pandora
フランス、ヌーヴェル・ダンスの旗手、ジャン・クロード・ガロッタの振付作品「雌狼とパンドラ」をもとに、純真な少年がかいま見る大人たちの世界を幻想的な手法で描くダンス・フィルム。監督・脚本はビデオ作品や短編映画を製作していたクロード・ムリエラスで、本作が長編デビュー作。製作はジル・サンドス、撮影はヴァルター・ヴァン・デン・エンデ、音楽はアルヴォ・ペルトが担当。出演はガロッタと、彼率いるグループ・エミール・デュポワのダンサーたち。八九年ジョルジュ・サドゥール賞受賞作。なお、本作には台詞がないので、日本版字幕はない。
少年ヴァレリオ(ミシェル・デュクレ)は何かを見つめる。少年は大人たちの世界をかいま見る。彼らの習慣、愛、怖れ、暴力をそこに見る。モンタルヴォ(クリストフ・ドラショー)、少年のアウトサイダーの叔父は、闘牛の記憶とパンドラ(マチルド・アルタラツ)という女性への想いの間で揺れていた。彼の身振りは狂気を帯び、次第にダンスへと変わっていく。子羊が、殺されて少年は深く悲しむ。大人たちの肉体はさまざまな表情を見せ、声もなく少年は見ている。夜が訪れ、食卓を皆が囲み、少年は眠り夢を見る。少年がハッとして目を覚ますと、夜の闇の中を列車がガタコトと通り過ぎていくのだった。
Pandora
Montalvo
Rouberto
Gigi
Valerio
監督、脚本
原案
製作
撮影
音楽
美術、衣装デザイン
編集
録音
録音
[c]キネマ旬報社