日陽はしづかに発酵し…
日陽はしづかに発酵し…
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日陽はしづかに発酵し…

1995年6月17日公開、138分、ファンタジー
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中央アジアはトルクメニスタンを舞台に、ロシア的な精神とアジア的な魂の触れ合いを、謎めいた寓話的な物語を雄大にして幻想的な映像で描く映像叙事詩。ロシア映画のみならず現代映画の最先端を開拓していくアレクサンドル・ソクーロフ監督が、78年製作の処女作「孤独な声」以来10年間の公開禁止を解かれたあと最初に製作した長編第5作。“西のアーサー・C・クラーク”と評され、アンドレイ・タルコフスキーが映画化した「ストーカー」などで知られる伝説的なSF作家ストルガツキー兄弟(アルカーディとボリス)の『世界消滅十億年前』(本邦未訳)の映画化。ただし舞台をレニングラードからトルクメニスタンに移すなど、原作は大幅に脚色されている。脚本にはソクーロフの劇映画では常連のユーリー・アラボフ(「セカンド・サークル」「静かなる一頁」)が執筆し、原作者ストルガツキー兄弟、それにピョートル・カドチニコフが協力。製作はタチアナ・ノーモヴァ、撮影は「孤独な声」以来の初期作品をことごとく担当したセルゲイ・ユリズジツキー、カメラ・オペレーターはここ数年のソクーロフ作品をほとんど手掛ける「ロシアン・エレジー」「静かなる一頁」のアレクサンドル・ブーロフ。印象的な航空撮影はA・イルニツスキー。美術はエレーナ・アムシンスカヤ、音響監督はソクーロフの第2作『痛ましき無関心』(日本未公開)以来全作品に参加しているウラディミール・ペルソフ、編集もやはりソクーロフ作品の常連レーダ・セミョーノワがそれぞれ担当。音楽はユーリィ・ハーニンがスコアを書き、シューマン、アルフレード・シニートケ、オッフェンバックなどの作品が使用されている。ソクーロフはプロの俳優は使わないことで知られ、主演のアレクセイ・アナニシノフは本作出演後、青年実業家になったといわれる。ほかにエスカンデル・ウマーロフ、ウラジミール・ザマンスキーらが共演。なお本作は92年レン・フィルム映画祭で「日蝕の日々」のタイトルで初上映された。

ストーリー

中央アジア、トルクメニスタンの荒涼とした大地、砂漠に近いうだるような暑さのこの土地に派遣されてきたロシア人の青年医師マリャーノフ(アレクセイ・アナニシノフ)は、毎日タイプに向かって論文「古儀式派家庭における若年性高血圧症」を書いている。ある日彼の家に送り主不明の小包が届く。親友のサーシャと一緒に開けてみると、なかには海老が入っていた。マリャーノフを訪ねてきた姉は、彼にはなんの憶えもないのに呼ばれてきたという。患者で軍の技術者のスニェガヴォイ(ウラジミール・ザマンスキー)は「グバリという男を知っているか」ときき、ものを書くのは危険だと謎の言葉を残し、数日後に謎の死を遂げる。マリャーノフが死んだ患者のところから戻ると、家に拳銃をもった男に押し入られる。この男はグバリと名乗り、やはり「ものを書くな」と言い残して当局に射殺される。死体安置所に行くと突然死んだはずのスニェガヴォイが喋り始める。サーシャはお前もスニェガヴォイもよそ者だからだと言い、スターリンの強制移住が起こした悲劇を語って聞かせる。家に戻るとドアの前に少年(セリョージャ・クルイロフ)が倒れている。少年はマリャーノフと一緒に住むが、食事も睡眠も無駄だと言って取ろうとしない。数日後、当局の人間が少年を連れ去る。マリャーノフはこの世が終末に向かっていることを感じはじめた。そしてサーシャが「地球は丸いからまっすぐ進めば迷わず戻ってこれる」と言い、マリャーノフに日記を託して旅に出た。サーシャの船はカスピ海を夕日に向かって進んでいった。

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作品データ

原題
ДHИ ЗATMEHИЯ The Days of Eclipse
製作年
1988年
製作国
ソ連
配給
パンドラ
初公開日
1995年6月17日
上映時間
138分
製作会社
レン・フィルム
ジャンル
ファンタジー


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