ウィレム・デフォー
Tom Eliot
20世紀を代表する詩人T・S・エリオットとその最初の妻ヴィヴィアンの愛と葛藤をめぐる文芸ドラマ。監督は「星の流れる果て」のブライアン・ギルバート。製作はマーク・サミュエルソン、ハーヴェイ・カス、ピーター・サミュエルソン、エグゼクティヴ・プロデューサーは音楽プロデューサーとしても著名なマイルズ・A・コープランド3世(ロック・グループ〈ポリス〉の元ドラマーで映画音楽家のスチュアート・コープランドの実兄)とポール・コリッチマン。脚本は、英国演劇界の名劇作家マイケル・ヘイスティングスが、原作である自作の戯曲を「橋の上の貴婦人」のエイドリアン・ホッジスと共同で執筆。撮影は「蠅の王」「オーメン4」のマーティン・フューラー、音楽はデビー・ワイズマン、美術は「モナリザ」「フールズ・オブ・フォーチュン」のジェイミー・レナード、編集は「ジェラシー(1979)」ほかニコラス・ローグ作品で知られるトニー・ローソン、衣装はフィービー・ド・ゲイがそれぞれ担当。主演は「最後の誘惑」「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」のウィレム・デフォーと本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされた「ダメージ」のミランダ・リチャードソン。共演は同じく本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされたベテラン、ローズマリー・ハリス、英国演劇界の重鎮、ニコラス・グレイスほか。
1914年、イギリスはオックスフォード、マートンカレッジ。上流階級出身で社交界の花形令嬢、ヴィヴィアン・ヘイウッド(ミランダ・リチャードソン)は、弟モーリス(ティム・ダットン)を伴って会った、ハーヴァード出のアメリカ人文学青年トム・エリオット(ウィレム・デフォー)と恋におち、結婚する。しかし、ヴィヴが病気に悩まされ、服用する薬の副作用のため時にヒステリックな行動に出るようになって、二人の生活は新婚まもなくで不安定なものとなる。ヴィヴの両親チャールズ(フィリップ・ロック)とローズ(ローズマリー・ハリス)はトムの稼ぎの少なさに加え、彼の恩師が反戦思想で世間に糾弾されるバートランド・ラッセル教授(ニコラス・グレイス)であることに不安を抱くが、トムのヴィヴへの愛を認めて家族として彼を受け入れる。二人はラッセル家の屋根裏を間借りして苦しい生活をはじめ、ヴィヴの励ましと助けもあってトムは文壇で認められていく。しかし反面、ヴィヴはトムの友人となったスノッブな連中が気に入らず、トムはそんな彼女の不作法な振る舞いを耐えていたが、やがて教会へと傾倒していき、それがヴィヴの孤独感を深めた。まもなくトムは詩集『荒地』を出版し、一躍名声を得るが、その陰にヴィヴの助言があったことを知るものはなかった。トムの文壇の友人、ヴァージニア・ウルフ(ジョアンナ・マッカラム)はヴィヴについて忠告をするが、トムは妻をかばった。トムは編集者として出版社に勤めはじめ、ロンドンに快適な住居も得たが、ヴィヴの精神状態は徐々に悪化し、魂の救いを求めてトムは英国国教会に入信、さらにイギリスに帰化したが、それはヴィヴの孤立感を深めるだけだった。疲れ果てたトムはついにヴィヴを精神病院に入院させることを決心し、モーリスとローズの立ちあいのもと、医師にヴィヴを診てもらった結果、彼女はその数日後、病院に収容された。10年後。モーリスは久しぶりにヴィヴを見舞う。薬の服用をやめたことで健康を取り戻していたヴィヴには、驚いたことに母ローズの死後、訪問客が誰もおらず、トムからも10年近く音沙汰がなかった。しかし、ヴィヴはモーリスに、トムをそれでも愛していると語るのだった。1947年、11年の入院生活後、ヴィヴィアン・ヘイウッド死去。T・S・エリオットは、その翌48年、ノーベル文学賞を受賞した。
Tom Eliot
VivienneHaigh-Wood
RoseHaigh-Wood
Maurice Haigh-Wood
Bertrand Russell
Harwent
Louise Purdon
Charles Haigh-Wood
Virginia Woolf
Bishop of Oxford
Sir Frederick Lamb
監督
脚本、原作
脚本
製作
製作
製作
製作総指揮
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
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