ヤン・クイメイ
May
現代の台北を舞台に、孤独な男女3人の生き方を、冷徹なカメラワーク、極端に少ない台詞、一切の音楽の助けを借りない俳優たちの陰影豊かで繊細な演技など、抑制された演出でつづった人間ドラマ。監督は92年のデビュー作「青春神話」で、台湾ニューウェーヴ第2世代として注目されたツァイ・ミンリャン。脚本はツァイ・ミンリャン、ヤン・ピーイン、ツァイ・イーチュンの共同。製作は「青春神話」「恋人たちの食卓」を手掛けた現代台湾映画の名プロデューサー、チャン・フーピン。撮影のリャオ・ペンロン、美術のリー・パオリンも「青春神話」に続いての参加。録音は「悲情城市」「クー嶺街少年殺人事件 」のヤン・チンアン。出演は「恋人たちの食卓」のヤン・クイメイ、「青春神話」のリー・カンションとチェン・チャオロン。2024年7月20日より『台湾巨匠傑作選2024』にて劇場上映(配給:オリオフィルムズ)。
ロッカー式共同墓地のセールスマンのシャオカン(リー・カンション)は、高級マンションに届け物をした際、同じフロアの部屋に鍵がささったままのドアを見つけ、その鍵を抜き去ってしまう。再びマンションを訪れた彼は、人気がないことを確認し、部屋に忍び込む。意を決してナイフで自殺を図ろうとするが、踏み切れない。そこへ不動産エージェントのメイ(ヤン・クイメイ)と露天商のアーロン(チェン・チャオロン)がやって来る。この部屋はメイの仲介物件の一つで、彼女は夜の街でゆきずりで出会ったアーロンを引き入れたのだった。服を脱ぎ、絡み合う2人をそっと覗き込むシャオカン。人見知りが激しく、会社でも仲間と打ち解けないシャオカンは、パンフレットをマンションのポストに投函するだけの単調な日々を送っている。彼はいつしかこのマンションで安らいだ時間を過ごすようになる。アーロンも合鍵を使ってこの部屋にやってくる。不景気で物件が売れないメイも疲れた体を癒すように、時々この部屋を訪れる。ある日、男二人は部屋で鉢合わせをする。最初は互いに警戒しあっていた彼らだが、やがてドライブをしたり一緒に鍋をつつくような仲になる。アーロンはメイに電話するが、彼女は相手が誰なのか分からない。ある晩、メイに気づいたアーロンは、シャオカンを残して後を追う。待ちぼうけを食わされた彼が一人ベッドの上で自慰行為をしていると、彼らが帰ってきた。ベッドの下に隠れたシャオカンに、やがて軋む音と喘ぎ声が聞こえてきた。翌朝、メイが造成中の公園の中を歩いている。彼女はベンチに座るなり、いつまでも嗚咽するのだった。
監督、脚本
脚本
脚本
製作
製作総指揮
撮影
美術
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字幕
翻訳
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