ジェラール・ドパルデュー
Le Colonel Chabert
文豪オノレ・ド・バルザックの連作『人間喜劇』のなかの一篇『シャベール大佐』を映画化。莫大な遺産を残して戦死したはずの大佐が帰還、再婚していた妻と、その再婚相手の三者の駆け引きを描く文芸大作。監督は「伴奏者」などの名カメラマンで、本作が監督デビューとなるイヴ・アンジェロ。製作はジャン・ルイ・リヴィ、脚色は監督とジャン・コスモ、撮影は「真夜中の恋愛論」のベルナール・リュティック、録音はピエール・ガメ、美術はベルナール・ヴェザ、衣装はフランカ・スカルシャピノがそれぞれ担当。主演は「三人姉妹」(88)以来久々の日本公開作となったファニー・アルダンと、「エリザ」のジェラール・ドパルデューで、アルダンの初主演作である「隣の女」(81)以来13年ぶりの競演。共演は「愛を弾く女」の名優アンドレ・デュソリエ、「木と市長と文化会館 または七つの偶然」はじめロメール映画の常連ファブリス・ルキーニ。「ミナ」のロマーヌ・ボーランジェとドパルデューの娘ジュリーが小さな役で友情出演。
ブルボン王朝が返り咲いた1817年のパリ。腕利き弁護士デルヴィル(ファブリス・ルキーニ)のもとに、シャベール大佐と名乗る男(ジェラール・ドパルデュー)が訪ねてくる。大佐はナポレオン軍の英雄で、10年前に戦死したはず。妻は再婚してフェロー伯爵夫人 (ファニー・アルダン) になり、二人の子供に恵まれていた。夫の伯爵(アンドレ・デュソリエ)は彼女の財産に助けられてきたが、元帝政派の妻は貴族院入りの障害でもある。男は戦場で死体と間違えられ、墓から蘇り、記憶喪失に苦しみながら10年間彷徨ったと語り、夫人を訴えて財産を取り戻したいという。夫人の顧問弁護士でもあるデルヴィルは強く興味を引かれて事件を引き受ける。彼女の微妙な立場を熟知するデルヴィルは夫人に示談を勧める。一方で彼は大佐の型破りで将校らしからぬ生活に困惑を感じる。伯爵は夫人の財産が便りだが、彼女も投資の失敗でそれほど自由がきかない。彼女はデルヴィルの事務所で大佐と対面する。40万フランを要求する敵方に、彼女は男は大佐ではないと拒絶する。だが事務所を出たところで待っていた彼女は、大佐を郊外の別荘に招く。二人は少しずつ打ち解け、大佐は夫と子供たちとの生活を守りたい夫人の思いを理解し、月1000フランの年金で姿を消そうと言う。だが夫人が公証人に書かせた契約書に彼が大佐ではないという言葉があったため、彼は激怒して姿を消す。デルヴィルは大佐から、激しい人間不信に陥ってすべてを諦めたという手紙を受け取り、伯爵夫妻に会いに行く。伯爵は貴族院に入れず落胆していたが、デルヴィルは夫人の眼前で彼に大佐が生きていること、よって結婚は無効だと告げた。それからしばらくして、デルヴィルはかつて大佐だった男が身をよせる精神病院を訪ね、伯爵夫人が離婚し、伯爵が貴族院議員の娘と再婚したと伝える。
Le Colonel Chabert
La Comtesse Ferraud
Derville
Le Comte Ferraud
Domestique
監督、脚本
脚本
原作
製作
撮影
美術
衣装デザイン
録音
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