コン・リー
藩玉良(主人公=パン・ユィリャン)
19世紀末の中国に生まれ、数奇な運命の果てにパリで客死した実在の女流画家、藩玉良(パン・ユィリャン)の生涯を描いた伝記映画。念願の企画であり、度重なる中断を経て、5年の歳月をかけて完成させた監督は、『当代人』(81)でデビュー以来、現代中国映画界を代表する女流監督の一人である黄蜀芹。製作(出品)人として「雲南物語」の杜又稜、エグゼクティヴ・プロデュサーに「紅いコーリャン」「紅夢」の監督である張芸謀が名を連ねている。撮影には、カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞した張芸謀監督の『活着』の呂楽と、監督とは気心が知れた夏力行が共同で当たった。主演は「さらば、わが愛 覇王別姫」の鞏俐と、「つきせぬ想い」の監督としても知られる爾冬陞。
20年代初等の中国・安徽省。ユィリャン(コン・リー)は、娼婦の売れっ子の下働きとして働いている。やがて、ユィリャンにも水揚げの日が訪れ、娼館の女主人は、この地を訪れたばかりの新任の官吏・パン(イー・タンシン)の妾にと画策するが、生真面目な彼はきっぱり断る。ある晩、娼館の男衆に辱めを受けたユイリャンは、パンの家に身を寄せる。これは妻がいる身のパンにとってスキャンダルとなって立場は悪くなり、彼はユィリャンに暇を出した。彼女が残した刺繍の贈り物を見た時、初めてパンは自分が彼女を愛していたことに気づき、彼は彼女の後を追って、二人は愛を確かめ合った。だが、パンの立場はますます悪くなり、職を失う。二人は新天地を求め、上海に渡った。パンの友人で、画家のホン夫妻を通じ、ユィリャンは初めて触れる絵画の世界に興味を持ち、やがて絵画学校に学ぶ。だが、当時の中国では裸体のデッサンなどは良俗を乱すものとされていたため、ユィリャンたち生徒は思うような芸術表現がてきず、もどかしい気持ちだった。子供が欲しかったにも関わらず、子供に恵まれない体だとわかった時、ユイリャンはパンに黙って彼の本妻(シェン・ハイロン)を田舎から呼び寄せた。本妻に全く愛情を感じていないパンは反発しつつも彼女の意見を聞き入れ、本妻との間に子供を儲けることに。ユィリャンは寂しさを紛らすため、創作に情熱を注ぎ、鏡に映した自分の裸体を描く。やがて絵画学校に対する弾圧が一層厳しくなり、ユィリャンは自由な創作活動を求めて、友人ホーチュンとパリに留学する。パリではレストランで働く親切な同郷人ワン(ター・シーチャン)と親しくなる。数年後、フランスでの成功を収めた彼女は一旦帰国する。パンと成長した子供のムニが出迎え、ユィリャンは南京中央大学の教授待遇で雇われることに。パンの反対にも関わらず、ユィリャンは留学時代の作品の絵画展を開催するが、新聞社に彼女の過去が暴かれるという最悪の事態になった。絵画展は失敗に終わり、パンは辞職に追い込まれる。ユィリャンは互いのためを思い、パンの元から離れ、パリに戻る。そして彼女は4000点にも上る作品を残し、77年に82歳で世を去った。
藩玉良(主人公=パン・ユィリャン)
藩贊化(玉良の夫=パン・ツァンホア)
王守信(玉良のパリの友人=ワン・ショウシン)
大太太(贊化の第一夫人=ダー・タイタイ)
千歳紅(娼館・怡春院の売れっ子=チェンスイ・ホン)
賀瓊(玉良の恋人=ホー・チュン)
薛無(賀瓊の恋人=シュエ・ウー)
小蘭(怡春院での玉良の付き人)
老鴇(岑春院の女将=ラオパオ)
亀頭(怡春院の男衆=クイトウ)
小牟尼(藩の息子=ムニ)
商工会会長
監督
脚本
脚本
原作
製作
製作
製作総指揮
撮影
撮影
音楽
美術
美術
編集
録音
プロデューサー
プロデューサー
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