サンドリーヌ・ボネール
Jeanne
仏英百年戦争中活躍した歴史上の人物、ジャンヌ・ダルクの生涯を綴った2部作の第1部。ジャンヌ・ダルクについては、カール・T・ドライヤー監督の「裁かるゝジャンヌ」(28)やイングリッド・バーグマン主演の「ジャンヌ・ダーク」(48)など何度か映画化されているが、「美しき諍い女」のジャック・リヴェット監督による本作は、英雄としてのイメージの強いジャンヌをひとりの平凡な少女として捉え、その成長を緊張感ある映像に捉えようと試みている。第1部「愛と自由の天使」はジャンヌが神の啓示を受け祖国の救済に立ち上がり、王太子シャルルを擁する“国王軍”を率いてオルレアンで勝利を収めるまでを描く。台詞は「地に堕ちた愛」のパスカル・ボニツェールと「彼女たちの舞台」のクリスティーヌ・ロラン、撮影は「美しき諍い女」のウィリアム・ルプシャンスキー、音楽は「めぐり逢う朝」のジョルディ・サバール、衣装はロランが担当。ジャンヌ役に抜擢されたのは「プレイグ」のサンドリーヌ・ボネール。主な出演者はアンドレ・マルコン、パトリック・ル・モフ、ディディエ・ソーヴグラン、ステファヌ・ブーシュ、マティアス・ジュング、ジャン・ルイ・リシャール、マルセル・ボゾネなど。1部のみの出演はタチアナ・ムキーヌ、バティスト・ルション、オリヴィエ・クルヴェイエ、ベルナール・ソベルら。
1455年、パリ・ノートルダム寺院。火刑に処せられたジャンヌ・ダルク復権裁判が開廷される。ジャンヌの母、イザベル・ロメ(タチアナ・ムキーヌ)は娘の無実を訴えた…。時は遡り1492年。神の啓示を受け、自分が危機に瀕した王国を救える存在であると確信した17歳の少女ジャンヌ(サンドリーヌ・ボネール)は、ヴォークルールの城に出向き、王太子のもとに行かせてくれと守備隊長ボードリクール(バティスト・ルション)に頼む。何回か門前払いを受けた後、ボードリクールの従士ジャン・ド・メッス(オリヴィエ・クルヴェイエ)のはからいで、故郷の村を後に王太子のいるシノンに赴くことができた。王太子シャルル(アンドレ・マルコン)を一目で見分け「私に兵を。オルレアンを解放し、一緒にランスへ」と進言、さらに“神のみぞ知る秘密”を告げたことでシャルルの信用を得たジャンヌは城での滞在を許される。彼女はポワチエで3週間の審問に臨み、ピエール・ド・ヴェルサイユ(ベルナール・ソベル)ら審問官に、オルレアンの解放やパリ奪回などの神の予言を告げる。心動かされた審問官たちはジャンヌをオルレアンに派遣するようシャルルに申し出た。兵隊を率いたジャンヌは、ロワール川の岸辺でオルレアンの私生児ジャン(パトリック・ルモフ)、そしてオルレアン総督ゴクール(ディディエ・ソーヴグラン)らと合流する。風向きのせいで食糧も運べず苛立っているジャンの前で、ジャンヌが自分の軍旗を見上げると風が逆に吹き始めた。オルレアン入りし市民に歓待されたジャンヌであったが、戦費不足のため攻撃はすぐには始められなかった。イギリス軍はジャンヌを娼婦呼ばわりし、頭にきた彼女は川越しに声をかけるが届かない。大声自慢の好漢ラ・イール(ステファヌ・ブーシュ)が勝手に相手を罵ったので、ジャンヌはやり方を変えるよう叱る。また、読み書きのできない彼女は神父パクレル(マティアス・ジュング)に署名の仕方を教わった。やがてジャンヌに敵と闘えと神よりお告げが下る。まずサン=ルー砦で勝利を収め、次にオーギュスタン砦の奪取に傷つきながらも成功した彼女は、敵の最後の砦であるトゥーレル要塞を攻め落とす。神にそっと感謝の祈りを捧げるジャンヌ――。
Jeanne
Charles Dauphin de France
Jean Batard d'Orleans
Raoul de Gaucourt
La Hire
Jean Pasquerel
La Tremoille
Regnault de Chartres
Isabelle Romee
Baudricourt
Jean de Metz
Pierre de Versailles
監督
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン、台詞
録音
台詞
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