シルヴィー・ヴァルタン
Stephane Feuvrier
上流階級の貴婦人の過去の謎をめぐるエロティック・サスペンス。監督・脚本は、「白い婚礼」のジャン・クロード・ブリソー。共同製作はジャン・リュック・ゴダール作品や「野生の葦」などの大物プロデューサー、アラン・サルド。撮影は「かごの中の子供たち」のロマン・ヴァンダンで、音楽は「白い婚礼」のジャン・ミュジーがそれぞれ担当。編集はエリック・ロメール作品で知られるブリソー夫人のマリア・ルイサ・ガルシア(本作ではリザ・エレディア名義でマドレーヌ役も演じている)。主演は60年代フレンチ・ポップスのアイドル、シルヴィー・ヴァルタンで、映画主演は約10年ぶり。共演は「ニキータ」「ゴールデンアイ」のチェッキー・カリョ、「美しき諍い女」などのベテラン、ミシェル・ピッコリ、新人アレクサンドラ・ウィニスキーほか。95年「フランス映画祭横浜95」クロージング作品(ちなみに団長はシルヴィー・ヴァルタン)。
判事ジョルジュ・フーブリエ(ミシェル・ピッコリ)の妻ステファーヌ(シルヴィー・バルタン)が自宅の豪邸で暗黒街の大物のワデック・アスラニアン(クロード・ファラルド)を撃ち殺した。ジョルジュは後輩の弁護士ポール・ドゥロルム(チェッキー・カリョ)に弁護を依頼。ステファーヌはポールとジョルジュに事件の内容を語る。彼女は、アスラニアンとはボランティアの活動で刑務所を訪れた際に知り合い、仮出所した彼を同情したステファーヌが家に招き、レイプされそうになって殺したと語る。しかし、ポールはステファーヌの過去を知る。労働者階級出身の彼女は、恋人のアスラニアンと共に社会への復讐を謀っていたのだが、アスラニアンに女ができて、別れを切り出されたので、ステファーヌは彼を殺してしまった。ステファーヌに惹かれるポールは、この事実を公表しない事にする。しかし、アスラニアンの女と称するものがこの事実と引き替えに、フーブリエ家の全財産に相当する額を要求してきた。仮釈放のステファーヌは小切手を手にアスラニアンの家へ向う。しかし、アスラニアンの女とは、ステファーヌの16才の1人娘のセシル(アレクサンドラ・ウィニスキー)であった。小切手を置いて去ろうとするステファーヌにセシルはアスラニアンとの情事を撮ったビデオを見せる。そして、裁判で無罪になったステファーヌだったが、自宅でのパーティーで大勢の客の前で自分の罪を認め、虚偽の世界を罵倒してジョルジュに別れを告げ、立ち去ろうとするがセシルに撃ち殺される。
Stephane Feuvrier
Paul Delorme
Georges Feuvrier
Cecile
Madeleine
Wadek Aslanian
Pitot
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