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菅原文太
伊吹重蔵
北九州の筑豊を舞台に主人公の青年の生いたちと、上京するまでを、激しく生きる大人たちの世界の中で描く。五木寛之の同名のベストセラー小説の映画化で、過去に東宝で浦山桐郎監督によって「青春の門(1975)」「青春の門 自立篇(1977)」の二作が映画化されている。また松竹の人気女優、松坂慶子がはじめて東映に出演している。脚本は「徳川一族の崩壊」の野上龍雄、監督は「象物語」を監修した蔵原惟繕と「復活の日」の深作欣二の共同、撮影は「さらば、わが友 実録大物死刑囚たち」の仲沢半次郎と「忍者武芸帖 百地三太夫」の中島徹が共同で担当。
伊吹信介は炭鉱地帯に生れた。父の重蔵はヤマ騒動でダイナマイトを爆発させた犯人として検挙され、はげしい拷問に耐え抜いてヤマの英雄とみなされた人物で、その存在は北九州一帯に知れわたっていた。重蔵が、新興やくざ塙竜五郎とカフェーの女給タエをはりあって大喧嘩となり、全身傷を負いながらも彼女を手に入れたことは多くの人の語り草になっている。そのタエが信介の二度目の母となった。二年後。竜五郎が関係している鉱山で落盤事故が起き、坑夫たちが坑内に閉じ込められてしまった。重蔵はダイナマイトを腹にまきつけ、竜五郎に見送られ、坑夫たちを救出に坑内に入った。多くの坑夫たちが救出されたが、重蔵は戻って来なかった。信介五歳の時だった。以来、タエは採炭の仕事をしながら女手一つで信介を育てた。信介も父の血を受けつぎ、負けん気の強い少年に成長。ある日、朝鮮人の子供と喧嘩し、一対一の勝負をつけるため、朝鮮人集落へ向かった。そこで、落盤事故で父に救出された金山と出会った。その日から、金山は重蔵への恩義から信介母子の貧しい生活を助けるため、足しげく信介の家を訪れるようになった。しかし、その金山も戦場にかり出されていった。やがて終戦となった。満州から戻った竜五郎は、飯塚で一家を構え、信介母子の世話を申し出るが、タエは自分の手で信介を育てると言う。信介が中学に入った頃、金山がシベリアから帰って来た。金山は労働組合のリーダーとなり、朝鮮人労働者の差別撤廃を求め、あやまって炭鉱主を殺害、追われる身となる。その頃、タエは過労のため結核に蝕まれ、母子は竜五郎に引き取られることになった。幼なじみの織江が涙ながらに信介を見送る。飯塚の中学に進んだ信介は学校の音楽教師、梓旗江に慕情を寄せるが、かなわぬ思いを織江に求めた。情熱的な生き方を求める梓先生は田舎の生活に飽き足らず、信介に上京をすすめ、自ら飯塚の町を去っていく。信介はさびしさをまぎらわそうと、織江を訪ねた。だが織江は母親が死亡したため、貧しい家庭をささえきれず、小倉のキャバレーに勤めに出ていた。小倉に織江を訪ねた信介は、その夜、安旅館で男になった。数日後、竜五郎が朝鮮人労働者に撃たれた。一家の長太が単身殴り込みに行くが、逆につかまってしまい、竜五郎が引き取りに行く。そこへ金山が立ちふさがる。二人の間に割って入った信介は長太をかついで去って行った。空に向け発砲する金山。これが信介に対する金山の訣別のしるしであった。自分で生きていこうと、信介は上京を決意、療養所のタエに報告する。一人前の男になったと喜んだタエは翌日、多量の血を吐いて他界してしまう。タエの葬式を終え、信介は竜五郎に置手紙を残し、東京へ旅立った。信介はすべての人間が一生に一度だけくぐり抜ける青春の門の入口に近づこうとしていた。
伊吹重蔵
伊吹タエ
伊吹信介(赤ん坊)
伊吹信介(幼年時代)
伊吹信介(小~中学時代)
伊吹信介(中学三年~高校時代)
牧織江(小学時代)
牧織江(小~中学時代)
牧織江(中学時代)
牧昌江
長太
春男
乾分A
乾分B
乾分C
塙組々員A
塙組々員B
塙組々員C
塙組々員D
塙組々員E
塙組々員F
玄海のチンピラA
玄海のチンピラB
金朱烈(金山)
李九南
呉昌源
崔吉道
趙隆夫
鄭奔一
結婚式の女
梓旗江
平野
羽根沢
市村
所長
坑夫A
坑夫B
坑夫C
坑夫D
保安係A
保安係B
保安係C
保安係D
係長
警察の署員A
警察の署員B
警官
信介の学友A
信介の学友B
信介の学友C
信介の学友D
平井亀吉
平井君代
村田雄蔵
炭住長屋の住人A
炭住長屋の住人B
炭住長屋の住人C
炭住長屋の住人D
男の子A
男の子B
下士官
補充兵
警防団員
高校生
学校の用務員
呼び込み
ボーイ
ハルミ
旅館の女主人
看護婦
親分A
炭鉱主A
炭鉱主B
芸者A
芸者B
芸者C
パン助A
パン助B
泣く女
矢部虎
塙竜五郎
監督
監督
脚本
撮影
撮影
音楽
美術
美術
美術
編集
照明
照明
録音
録音
録音
助監督
助監督
助監督
助監督
助監督
助監督
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