快走艇
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快走艇

1932年公開
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「メリケン押切帳」「裸一貫(1931)」と同じくウィリアム・ヘインズが主演する映画でE・J・ラスの原作に基づき「特集社会面」「支配する声」のバイロン・モーガンが「キートンの歌劇王」のラルフ・スペンスと共同して脚色し、「僕の武勇伝」「燃ゆる海原」のハリー・ポラードが監督に当たり、「太平洋爆撃隊」「若き血に燃ゆる頃」のハロルド・ウェンストロムが撮影したものである。助演者は「若き血に燃ゆる頃」「戦く幻影」のマッジ・エヴァンスを始め「太平洋爆撃隊」「マデロンの悲劇」のクリフ・エドワーズ、「コンゴ」「印度の寵児」のコンラッド・ネーゲル、「海底マラソン」のアーサー・バイロン、「お気に召すまま」のウォーバートン・ギャンブル、アルバート・グラン、ケネス・トンプソン等という顔ぶれである。

ストーリー

サンディーは米国海軍の一水兵にすぎないがなかなかの野心家で、モーターボート用の最新ガスタービンを発明した。彼の相棒のバンピイはサンディーに劣らぬひょうきん者でいつも彼と行動を共にしていた。ある日サンディー発明にかかわるガスタービンを提督のランチに取りつけたところ、途中で爆破してしまったので上官ににらまれ、二人は海軍を追われた。それ以来二人は転々として流浪の生活を送り、彼の才能に興味を持つ富豪もなかった。ある日腹ペコになった二人が小さいボートに乗って港内を徘徊していると、スピードボート制作者として有名なジェームソンの娘シャーレーのランチと衝突して転覆した。それが縁で二人はジェームソンの造船工場で働くこととなった。不況の嵐にはジェームソンも打撃を受けて破産に瀕していた。それで世界選手権争奪のスピードボート競争にもジェームソンは自製のボートを出すことを銀行家のバートンが許さなかった。がサンディーのガスタービンの話を聞くと乗り気になりバートンの反対にもかかわらず新艇を建造した。ところが試運転の時またもや爆破してジェームソンは腕を傷つけてしまった。サンディーはジェームソンを慰めて今度こそ完全にすると言ったが彼には金がなかった。そこでバートンに相談すると彼は一蹴してしまう。バートンはひそかに酒類密輸入者共に資金を出して不正の利益を計っている男で、ガスタービンの有望な点に眼をつけ、権利をジェームソンから巻き上げようと企んでいた。これを知ったサンディーは最後の手段としてスピードボートを盗み、富豪を訪れて金を強制的に借り受けて資金とした。バートンは彼を海賊として捕縛方をその筋に依頼した。競争の前夜シャーレーとバートンがヨット上で結婚式を挙げることを知ったサンディーは仮装して乗り込みシャーレーを拐かして逃亡した。彼女もバートンよりサンディーが好きだった。翌日の競争に彼はシャーレーとバンピーとともに三人で定刻に競争に駆けつけて参加し、見事に月桂冠を得た。バートンは密輸入の尻尾を掴まれているので告訴を取り下げシャーレーをもサンディーに譲らねばならなかった。

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作品データ

原題
Fast Life
製作年
1932年
製作国
アメリカ
配給
MGM支社
初公開日
1932年
製作会社
M・G・M映画


[c]キネマ旬報社