転校生
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転校生

1982年4月17日公開、112分
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“男の子と女の子の体が入れ替わってしまった”思春期の中学生の男女を描いた青春映画。原作は山中恒の『おれがあいつであいつがおれで』(旺文社刊)、脚本は「ゴキブリ刑事」の剣持亘、監督は「ねらわれた学園(1981)」の大林宣彦、撮影は「霧のマンハッタン」の阪本善尚がそれぞれ担当。

ストーリー

広島県・尾道市。斉藤一夫は8ミリ好きの中学三年生で、悪友たちと女子更衣室をのぞいたり悪ガキぶりを発揮するごく普通の少年である。そんな彼のクラスにある日、斉藤一美という、ちょっとキュートな少女が転校して来た。一美が大野先生に紹介された途端、一夫を見て叫んだ「もしかしてあなた一緒に幼稚園に行っていたデベソの一夫ちゃんじゃない?」二人は幼馴染みだったのだ。久しぶりに一夫と再会した一美は大喜びだが、子供の頃の自分の恥部を知られている一夫にとっては大迷惑。その日の帰り道、神社の階段の上で、一夫はつきまとう一美めがけてコーラの空缶を蹴飛ばした。驚いた一美は階段から落ちそうになり、一夫は押さえようと抱きつくが、二人はそのままころげ落ちた……。しばらくたって二人は意識をとり戻し、それぞれの家に帰るのだが、二人の体が入れ替っていることに気がつき、愕然とする。男の子の体になってしまった一美は泣き出すが、とりあえず、お互いの家族、友人の中で生活することにした。突然、男っぽくなった一美や、逆に女っぽくなった一夫にそれぞれの家族は戸惑うが、まさか入れ替っているなどとは考えてもみない。学校でも一夫が突然勉強ができるようになって周囲が驚くのだが、悪友たちがオカマっぽくなった一夫をからかうと、一美が怒って連中をのしてしまうのだ。そんなある日、一美はボーイフレンドの弘と会うことになった。一夫は一美を演じているうちに弘をからかったため、一美を怒らせてしまう。やがて、一夫が父の転勤で横浜に引っ越すことになった。いつまでたっても元に戻らぬ二人は、絶望的になっていき、特に一美は自殺を考えるまで追い込まれてしまう。が、一方で、互いの体に嫌悪感さえ覚えながらも、徐々に異性としての愛情が芽生えていく。一夫の引っ越しが間近に迫ったある日、あの神社の階段の上で、二人はふとしたハズミで再び転げ落ちてしまった……。気がついてみると、二人は元の一夫と一美に戻っていた。「オレ一美が大好きだ」「この世の中で誰よりも一夫君が好き」泣きながら抱き合う二人。数日後。引っ越し荷物を積んだコンテナ・トラックに一夫と両親が乗り、一美が見送りに来ている。動き出したトラックの助手席から、追って来る一美を8ミリで撮る一夫。「サヨナラ、オレ」「サヨナラ、あたし!」。

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映像の魔術師・大林宣彦の世界【『海辺の映画館-キネマの玉手箱』特集】 PR

余命3か月を宣告されながらも、故郷である尾道を舞台にした超大作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』を完成させ、今年4月10日に82年の生涯に幕を下ろした大林宣彦監督。本特集では大林監督が手掛けた作品群から、その平和へのメッセージを解き明かす。

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作品データ

原題
Sayonara, Me
製作年
1982年
製作国
日本
配給
松竹
初公開日
1982年4月17日
上映時間
112分
製作会社
日本テレビ放送網株式会社=株式会社ATG


[c]キネマ旬報社