本木雅弘
大輔
人気グループ“シブがき隊”の映画進出第一作で、三人の男子高校生がリゾート地で体験する恋と冒険の物語。脚本・監督は「の・ようなもの」の森田芳光、撮影は「とりたての輝き」の鈴木耕一がそれぞれ担当。
大輔、公明、正の三人は東京のある全寮制男子高校の一年生。青春前期ごく平均的な大輔、ツッパリ屋だが、おっちょこちょいの公明、頭はいいけど内気な正。三人とも四月からの新しい生活に不満があったわけじやないけれど、五月、六月と過ぎるにしたがって、束縛感が芽生えてきた。どこというあてはないが、とりあえず自由な空間へ飛び出そう!三人は夏休みをひかえた七月のある日、舎監の目を盗んで寮から脱出した。彼らがやって来たのは東京からそう遠くないリゾート地。旅館に荷物をあずけて近くのテニスコートに遊びに行ったのはいいけれど、更衣室に三人の財布を置き忘れてしまった。結局、財布を紛失した三人はアルバイトで宿泊代を返すことにした。風呂掃除、布団しきと馴れない肉体労働に三人はフラフラだが、旅館の娘あゆみと、彼女の友人の久美、良子と仲良くなり状況は一変。なんとなく大輔とあゆみ、公明と久美、正と良子というカップルができあがっていた。だが、あゆみと大輔の仲を心配した父親が、もうアルバイトをしなくてもよい、と三人を追い出してしまった。旅館を後にした三人だが、彼らの脳裏には彼女たちの面影がこびりついて離れない。で、また旅館に戻ったのだが、あゆみたちも三人を追ってバスに乗っていたのだ。三人は旅館の自転車に乗ってバスを追い、やっと再会できた。このままでは別れたくないと意見が一致した六人は、とある別荘に入り込んだ。そこへテニスコートで知り会った沙織が倒れ込んできた。彼女をかいがいしく看護する少年たちに女の子たちは怒り、自転車に乗って出ていってしまった。だが、沙織が失恋したことと、しかもこの別荘の持ち主であることが分かった。翌日、沙織は別荘を使ってほしいとの置き手紙を残して東京にいる彼氏に会いに行った。三人はあゆみたちとの待ち合わせ場所へ急いだ。彼女たちの誤解はほどなく解けた。そして以前、彼らが紛失した財布をあゆみがあずかっていたことを告白、さらに感きわまったあゆみは大輔に「好きよ、ダ・イ・ス・ケ」! 翌朝、東京へ帰る三人を、あゆみたちがいつまでも見送っていた。
監督、脚本
製作
製作
撮影
音楽監督
美術
編集
照明
録音
助監督
企画
スチール
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