スタン・ローレル
Stanlio
「極楽二人組」「極楽兵隊さん」と同じくスタン・ローレル、オリヴァー・ハーディー共演喜劇で、オーベル作の喜歌劇「フラ・ディアヴォロ」に基づいて「マダム・サタン」「ダイナマイト(1929)」のジェニー・マクファーソンが脚色し、プロデューサーのハル・ローチが自らチャールズ・バディー・ロジャースを助手として監督に当たったもの。助演者は「放浪の王者(1930)」のデニス・キング、「ご冗談でしョ」「その夜」のセルマ・トッド、「極楽兵隊さん」のジェームズ・フィンレイソン、「武装ラグビー」のアーサー・ピアソン、「親爺は若い」のルシル・ブラウン、ヘンリー・アーメッタ、レーン・チャンドラー等で、撮影は「極楽兵隊さん」のアート・ロイドとハップ・デピューの担当である。
オリオとスタンリオは汗と膏の結晶たる、命よりも大切な金貨袋を山賊に奪われた。二人は相談の上、山賊を開業することとなる。当時イタリアには泣く児も黙るといわれた山賊の巨魁フラ・ディアボロが横行していたが、俄か山賊のオリオとスタンリオが掠奪しようとしたのがディアボロだった。ディアボロは怒って二人を絞首にしようとしたが、スタンリオが泣いて命乞いをするのでオリオだけが絞首の刑に処せられスタンリオはその執行役を申し付けられた。これより先ディアボロは乾分共をして旅行中の金満貴族ロクバーグ卿夫妻を襲わせたが宝石類だけを掠奪して現金は取らないで着たので、ディアボロ自ら卿が宿泊している宿に、サン・マーコ侯爵と名乗って投宿し、大金を盗む計画を立てた。そこでオリオとスタンリオは命を助けられ、サン・マーコ侯爵の従者となって同行する。この宿屋の娘は若い士官のロレンゾと愛し合っていたが、傾く家運を支えるために彼女は地主のフランチェスコと結婚しなければならなかった。侯爵に化けたディアボロはロクバーグ卿の年若な夫人パメラに色じかけで近づき五十万フランの大金を巻き上げる企みだった。ロレンゾはディアボロを逮捕して二万リラの賞金を貰おうと、山賊征伐に赴き一味を殺して帰って来た。が、サン・マーコ侯爵がディアボロだとは気付かない。その翌日は娘の結婚式の日だった。酒に泥酔したスタンリオのへまからロレンゾは侯爵がディアボロであることを知り、遂に侯爵と従者二名は銃殺されることとなる。ロレンゾは二万リラの賞金を貰い、宿屋の娘と天下晴れて結婚することを許された。刑場に三人並んで立った時スタンリオは鼻をかませてくれと頼み、許しを得て赤いハンカチを出して鼻をかんだ。その赤いハンカチを見た猛牛が刑場を暴れ回ったので銃殺の刑は何処へやら、ディアボロは馬を掻き払って逃走し、スタンリオとオリオは猛牛の背に乗っかって逃げ出した。
Stanlio
Olio
Marquis_de_San_Marco
Lady_Pamela
Lord_Rocburg
Zerlina
Lorenzo
Matteo
Francesco
Lieutenant
Rite
[c]キネマ旬報社