石橋凌
ラチ
ロックのスーパースターを夢見る青年と二人の仲間の生活を描く。長谷川和彦を中心とする九人の監督の集団、ディレクターズ・カンパニーの第一回作品で、同メンバーの高橋伴明が総合プロデュースにあたり、脚本は宇崎竜童と黒沢清が共同執筆、監督も宇崎竜童、撮影は長田勇市がそれぞれ担当。
ラチ、クミコ、銀次は九州から上京してきた仲間だ。クミコはピンクサロンに勤め、銀次はスナックで皿を洗い、ラチはライブハウスでロックを歌っている。ロックのスーパースターを夢見るラチを、励ましながら暮すクミコと銀次。しかし、ラチは持ち前の一本気な性格のために思うように事は運ばず、バンドのメンバーやマネージャーとトラブルを繰り返し、見放されてしまう。三人が意気消沈しているとき、ある音楽事務所からレコーディングの話が転り込んだ。夢の実現に三人は小踊りして喜ぶが、音楽事務所にはもう一つの顔があった……。
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