柴田恭兵
藤川洋一
渋谷を舞台に、自由気ままな二人のチンピラの生き方を描く。脚本は、昨年他界した「竜二」の金子正次と同作の川島透の共同執筆。監督は川島透、撮影も同作の川越道彦がそれぞれ担当。
藤川洋一と梅沢道夫は、競馬のノミ屋で生活しているチンピラである。彼らは時折、小遣い稼ぎに仲間と組み、ライブハウスのアトラクンョンとして、“銃殺”寸劇を見せていた。洋一は、道夫と共に暴走族にからまれているところを助けた長崎裕子と、道夫は美也という女と、それぞれよろしくやっている。毎日が勝手気まま、自由人の生活であった。ある夜、二人がいつも通り、“銃殺”寸劇をやろうとライブハウスを訪れたところ、仲間の太と木村が、伊藤会の組員を巻きこみ逆鱗に触れてしまっていた。そして、殴る蹴るの暴行を加えられているが、親分格にあたる大谷の口ききで助けられた。大谷に、呼び出された洋一は、本物のやくざにならないかと誘われる。本来ならば、兄費分の道夫が順番であるが、大谷は洋一の方が器が大きいと判断したのだ。洋一は組入りのための研修として、大谷と共に挨拶まわりを始めた。道夫は、洋一を恨みこそしなかったが、複雑な心境であった。洋一の留守中、裕子がシャブに手を出してしまった。そのシャブは、洋一が大谷から一時的に預かったものだった。これがきっかけで、洋一はやくざになるのを断念した。しかし、裕子は、洋一の思いやりを裏切るように彼のもとから去って行った。酒をあおる洋一に、さらに悪い知らせが入った。道夫がノミ屋の大損で追いつめられ、預けた例のシャブを横流しし、大谷を刺してしまったのだ。組員達は道夫を捕えるために動き出した。デパートの屋上で、洋一は道夫を発見した。「死ぬのが怖い」とおびえる道夫。彼を絶対に死なせまいと決心した洋一は、車を手配し、親しい仲間と連絡を取った。閉店を待った二人は、エレベーターで地上に降りた。が、ドアが開いたとたん、目の前で銃口が火を吹いた。鮮血にまみれた洋一は、ぐったりと動かなくなった道夫を抱え、ヨロヨロと車の中に倒れ込んだ。車は品川埠頭まで走り、停止した。彼らの死の知らせを受けたやくざ達は、姿を消した。誰もいなくなった後、身をもたげる二人。銃を撃ったのは太で、お得意の“銃殺”寸劇だったのだ。二人は船に乗って日本を後にし、彼らの笑い声がこだました。
藤川洋一
梅沢道夫
長崎裕子
美也(道夫の愛人)
大谷(伊東会幹部)
太
雨宮(伊東会幹部)
上田(刑事)
ビビ(大谷の愛人)
木村(道夫達の仲間)
清水(道夫達の仲間)
前田(道夫達の仲間)
本多一彦(裕子のボーイフレンド)
吉村浩二(暴走族)
吉村和夫(浩二の父)
吉村雅子(浩二の母)
刑事A
大谷の若衆
中年男
中年男
監督、脚本
脚本、企画
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
プロデューサー
スチール
製作補
製作補
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