泉じゅん
高野裕子
亡くなった姉の婚約者と結婚した新妻の揺れ動く姿を描く。脚本は一色伸幸と村上修の共同執筆。監督はこの作品がデビュー作となる堀内靖博、撮影は「踊る乳房」の水野尾信正がそれぞれ担当。
裕子は亡くなった姉の婚約者、高野博と結婚した。川越に新居を構え、そこに、姉や夫の同級生、文枝がやって来た。文枝や夫の学生時代の話題に、裕子は取り残されたものを感じる。裕子はトリマーの仕事をしており、週に3日は東京に通っている。ある日、友人の幸子とレストランに行き、そこの主人の小野寺と3人で飲みに出た裕子は終電に遅れ、東京に泊る。翌日、裕子は夫にセーターを買って、家に電話すると、そこでは酒宴が催されていた。文枝は酔いつぶれた高野に唇を押しつつけ、上にまたがると腰を沈めた。帰って来た裕子に、文枝は“高野は酔って優美、優美と叫んでいた”と言う。高野を好きな文枝の嘘だが、裕子はショックで茫然となる。数日後、高野はお祝いの用意をしており、裕子に野音のコンサートのチケットをプレゼントした。何のお祝いか思いをめぐらす裕子は、優美の誕生日と知らされ、“文枝さんの言う通り”と言い残して家を飛び出した。東京をさ迷い歩く裕子は、自然と小野寺の所に足が向いた。二人は体を重ね、小野寺は裕子にプロポーズする。裕子の気持ちは揺れ動くが、夫のことは愛しており、彼女は金を請求する。裕子は、これは金のためのセックスと割り切ろうとした。家に戻った裕子は、必死に彼女の居所を探していた夫のメモを見つける。裕子は文枝に会い、彼女は高野が裕子を愛していることを告げ、嘘をついたことを謝った。裕子がバッグを落とすと、コンサートのチケットが出てきた。日付けは今日だ。コンサートは雨で中止だが、裕子は番号のシートに座った。しばらくすると、夫がやってきて隣りに座る。裕子の目から涙が溢れ出し、二人は聞こえない音楽に身をまかせた。そして、一糸まとわぬ姿で抱き合い、激しく燃えるのだった。
監督
脚本
脚本、助監督
撮影
美術
編集
照明
録音
企画
プロデューサー
選曲
スチール
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