危険な女たち
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危険な女たち

1985年5月25日公開、122分、サスペンス・ミステリー
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南紀・白浜の別荘でおきた殺人事件をもとに、女の愛憎のドラマを描く。アガサ・クリスティー原作「ホロー荘の殺人」の映画化で、脚本は竹内銃一郎と「ねずみ小僧怪盗伝」の古田求の共同執筆。監督は同作の野村芳太郎、撮影も同作の川又昂がそれぞれ担当。

ストーリー

南紀・白浜の絹村健一郎の別荘。健一郎の妻ハナは朝からジッとしていられなかった。今日から三日間、ハナが子供の頃から可愛がっていた藤井冴子、水野美智子、升森弘、また、健一郎の病院の院長代行の棚瀬秀雄・紀子夫妻が別荘に滞在するからだ。隣の別荘の住人でミステリー作家の枇杷坂周平と小児端息の療養のため、別荘に来ている棚瀬夫妻の息子・守も加わってにぎやかに夜会が始まった。枇杷坂が帰った後、最近落ち目の歌手、橋まゆみという女性が鉢植えを手に現われた。自分の借りた別荘の電気がつかなくて困っているという。彼女を見て秀雄は驚いた。二人は十年前恋人同士だったのだ。そして、秀雄が別荘の電気の具合を見に行くことになった。それぞれの部屋に皆が引きあげたあと、弘は水割りを飲んでいた。彼はまゆみが現われる直前、秀雄と冴子が抱き合っているのを見てしまった。弘は冴子に結婚を申し込んで断わられていたのだ。現われた美智子に、彼は突然結婚を申し込む。弘を愛していた美智子はヤケ酒の勢いでプロポーズされて悲しかった。久久の逢瀬から秀雄がもどったのは、皆が寝静まった深夜だった。常に彼に対し献身的で従順な紀子は、夫に、不満も言わず眠ってしまう。翌朝、皆は海へ釣りに出かけた。それぞれの場所で釣りを楽しんでいる時、一発の銃声が響きわたった。その音で集まってきた皆が見たのは、血を流して倒れている秀雄とその傍で拳銃を握り、ぼう然と立ちつくしている紀子の姿だった。秀雄は「冴子……」と言うなり、息絶えた。警察の捜査が始まり、訪ねてきた堂園警部に、ハナは不器用な紀子にあんなことができるわけがないと告げる。紀子も何となく傍に落ちていた拳銃を拾ってしまったと答えた。冴子が海中に投げ捨てた拳銃が発見された。が、それはモデルガンで、捜査の目は他の人間にも向けられるようになる。枇杷坂はこの事件をもとに小説を書き始めた。数日後、冴子、美智子、弘、紀子は別荘を後に帰宅した。枇杷坂は書きあげた小説をハナに読んでもらおうと別荘を訪ねる。それを読んだハナは震えた。ハナからの電話で事の仔細を知った冴子は紀子を訪ねた。そして、枇杷坂の小説のこと、秀雄が撃たれた時、紀子が拳銃を岩陰に隠すのを見て、二つの拳銃のトリックに気がついたことを告げる。紀子は秀雄がまゆみのことで自分を裏切ったから殺したのだと告白した。その晩、冴子が帰宅すると紀子が待っていた。彼女は秀雄の持っていた合鍵で部屋に入ったのだ。紀子は秀雄が最後に冴子の名を呼んだのは、冴子を愛していたからだと慟哭する。そこに杷枕坂が訪ねてきた。冴子の言葉で、秀雄に一番愛されていたのは自分だと気づいた紀子は毒の入ったコーヒーを飲みほし、その場で絶命した。

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作品データ

製作年
1985年
製作国
日本
配給
松竹
初公開日
1985年5月25日
上映時間
122分
製作会社
松竹=クラップボード
ジャンル
サスペンス・ミステリー


[c]キネマ旬報社