麻生かおり
遠山静子
仲の悪かった継母と娘がある事件に巻き込まれ、それぞれが持っていた生まれついてのマゾヒスト、サディストの血を自覚、秘かな楽しみで結ばれるまでを描く。団鬼六の小説の映画化(昭和49年に谷ナオミ主演で映画化されている)で、脚本は「丸茂ジュンの痴女伝説」の桂千穂、監督は「宇能鴻一郎の桃さぐり」の西村昭五郎、撮影も同作の山崎善弘がそれぞれ担当。
遠山静子は成田に向かう高級車の後部座席で夫の義隆にさんざん愛撫され外国へ旅立つ夫との別れを惜しんだ。遠山家に代々仕える運転手の川田は貴婦人のように美しい静子に恋心を抱いているが、彼女は運転手ふぜいなんか相手にしない。遠山家には前妻の子である高校生の娘がいたが、静子が遠山家に入ったことでグレてしまい、葉桜団というスケバン・グループのリーダーになっていた。京子は仲間からりンチを受けそうだから三百万円持って来て欲しいと静子に電話した。静子は川田と約束の場所に行くが、リンチは狂言で京子と仲間の銀子たちは、静子に襲いかかり、縛り上げると、口封じのために恥ずかしい写真を撮りまくった。静子は自分の秘部がまさぐられると、意に反して高まる快楽と戦わねばならなかった。そこへ、暴力団・田代組の津山が現われ、川田と京子にバクチの借金の返済を迫った。京子は三百万円から払おうとしたが銀子は承知せず、仲間割れしてしまう。そこで津山は静子、京子、川田を田代組長のところへ連れていった。静子に対して敵意を持つ京子を利用して、田代は、二人をサドとマゾに調教する。剃毛、浣腸で静子はのたうち、高貴さはすっかり消え失せ、一方、京子は責めつけることでサディスティックな喜びをおぼえていた。あまりにもみじめな姿に、川田は浣腸で汚れた静子の下半身を清めはじめる。見守る一同はひやかして大騒ぎ、二人の床入のセッティングをすると、川田は喜びいさんで静子に割って入った。手足を縛られ、川田の抽送を受ける静子はマゾヒスティツクな快感に酔いしれる。しかし、田代は川田を追い出してしまい、静子と京子をSMショーのスターに仕立てようと調教をはじめる。そこへ川田がナイフをもって乱入、田代、津山が倒れるが、ローンクの炎が家にまわる。静子と京子はなんとか家に帰りついた。数々の調教でマゾとサドに目覚めためた静子と京子は密かなる楽しみで結ばれる。仲むつまじくたった二人を見て、旅から戻った義隆は満足そうであった。
監督
脚本
原作
撮影
美術
編集
照明
録音
助監督
企画
企画
プロデューサー
選曲
スチール
[c]キネマ旬報社