北大路欣也
鳴海六平太
古陶磁器の美を探求する美術館長を巡って彼の妻、そして陶工の娘と三人それぞれの愛を描く。立原正秋原作の同名小説の映画化で、脚本は「櫂」の高田宏治、監督は「南極物語」の蔵原惟繕、撮影は「月の夜・星の朝」の椎塚彰がそれぞれ担当。
鳴海六平太は東洋美術に魅せられ、奈良にある佐保美術館の館長を勤めている。彼の妻範子は、鳴海の想いとは別に東京を離れることが出来ず、二人は別居生活を送っていた。範子は夫に顧りみられない淋しさから都会の堕落した生活に浸り、医師である勝森と愛情のない関係を持ち続けていた。ある日、上京した鳴海は範子と勝森の関係を知るが、子供の為に離婚はできず、仕事に打ち込むのだった。そんな時、鳴海は信楽の陶工家石本八郎を訪ね、彼の娘多恵と出逢う。そして、八郎に頼まれ、多恵を佐保美術館で働かせることにした。多恵は伊勢松坂の旧家へ嫁いだが、子供が生まれないという理由で離婚され、実家に帰されていたのだ。一方範子は、パーティで友人の早苗に紹介された村田と浮気をする。多恵は偶然にも鳴海と同じマンションに住むことになり、二人はいつしか愛し合うようになった。範子は、夏休みに鳴海を訪ねた子供達によって多恵の存在を知り、奈良にやって来た。だが、鳴海は範子を冷たく拒否。そんな時、多恵の前夫・久一が部屋に押し入り、彼女を襲うという事件が起きた。多恵のいる病院へ出かけるという鳴海に、範子は子供のことを持ちだし彼を引きとめようとするが、二人の間の溝は深まるばかりだった。範子は母親・克子に自分の浮気のことを悟られるが、どうすることもできない。鳴海と多恵は秋篠の里に一軒家を借りた。それを告げに鳴海は東京の家を訪れた。範子はどうにかして鳴海との間をやり直したいと願うが、鳴海は範子を許せない。桜の花の散る頃、範子が秋篠の里にやって来た。鳴海と範子を残し、一度は家を出た多恵だったが、聞こえるはずのない鐘の音を聞き、不安を感じ家に戻った。そこには範子に足を刺され、傷ついた鳴海がいた。
鳴海六平太
石本多恵
鳴海範子
石本八郎
石本房子
三宅藤一郎
勝森真樹
村田富雄
石綿早苗
浦上志津子
長沼克子
鳴海裕子
鳴海修平
天野久一
天野りせ
井村友二
木木宏吉
磯田英治
中野りえ
浅田とみ子
水田幸子
前川澄子
小川順次
和代
登代子
弥生
家政婦
監督
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
主題曲
スチール
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