水島裕子
える(人形)
夕方になると人間になるゴミ捨て場で拾われた人形と彼女に恋をする拾い主の青年の姿を描く。脚本は菅良幸、監督は「みんなあげちゃう(1985)」の金子修介、撮影は「魔性の香り」の山崎善弘がそれぞれ担当。
その日、26歳のサラリーマン徹はついてなかった。車で事故を起こして上司にしかられ、夜、恋人の洋子とセックスをすれば「明日は東大卒の商社マンとお見合いなの」とバイバイされてしまった。ヤケ酒でベロベロになった徹はゴミ集積場で吐いていると、捨てられた西洋人形と目が合った。翌朝、徹が目覚めると、全裸にエプロンの可愛子チャンがいる。「私は人形のえる、拾っていただいたお礼にご恩返しがしたいの」と言う。服のないえるに、アパートの隣の住人でオカマの玉二郎がワンピースをプレゼント。そして徹にどういう女だと問いつめた。その夜、えるは徹の布団に入ってきた。徹がえるの上にのしかかると、彼女は必死に苦痛をこらえる。えるはバージンだった。数日後、洋子が徹のアパートにやって来ると、見合いの相手はマザコンだったとグチをこぼし、二人は体を重ねる。そんな光景を悲しそうに見つめる人形の姿のえる。夕方、人間になったえるは、玉二郎の店を訪ね、セックスが上手じゃなければダメなんでしょうかと訊いた。そんなやりとりを聞いていたジゴロの小野寺は、えるを巧みに誘って変態グループに売りつけてしまう。えるはレズに愛撫され、中年男に犯され、ポラロイドで撮られてしまう。その晩、えるは激しく徹を求めた。徹もえるの間に割って入るが、朝になると人形になってしまう彼女に耐えられず、ゴミ捨て場に放り出してしまう。しかし、清掃車に出合うと、あわてて戻るがもう人形はなかった。えるは小野寺に騙され、美少年たちに囲まれ、セルロイド人形が苦手なローソク責めにあっていた。徹が駆けつけて大乱闘になるが、多勢に無勢だ。その時、えるがもの凄いパワーを発揮して敵をやっつけてしまうが、もう彼女は人間に戻ることは出来なかった。徹は「神のイタズラは残酷だ」と嘆く。しかし、数年後、徹はえるとソックリな、もしかしたらえるかもしれない女性と一緒になっていた。
える(人形)
女(正体不明の令嬢)
洋子
石橋徹
玉二郎
伸江
小野田
浪人生
西田
課長
同僚
美少年
美少年
美少年
美少年
監督
脚本
撮影
美術
編集
照明
録音
助監督
企画
企画
プロデューサー
選曲
スチール
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