風見慎吾
江藤正太郎
道産子と共に北海道の日高から、九州の鹿児島まで2600kmの日本縦断に挑む青年の姿を描く。島崎保久の体験記「馬のゴン太の背にゆられ…」の映画化で、脚本は田山忍、監督は「ザ・オーディション」の新城卓、撮影は「プルシアンブルーの肖像」の大岡新一がそれぞれ担当。
北海道、日高。サラブレッドを生産する江藤牧場と道産子を守り育てる松前牧場は、柵一つ隔てて反目し合っている。各々の牧場王、江藤鉄之肋と松前金蔵は犬猿の仲。そんな両家にあって、孫の代の正太郎と千里は口には出さないが魅かれ合っていた。正太郎は軽薄、根性なしの遊び人と町での評判が悪かった。道産子の巻き返しを図ろうと必死の金蔵は、道産子の優秀性を全国に知らせようと道産子による日本縦断を呼びかけた。誰も名乗りをあげないなか、正太郎は千里から彼女の道産子ゴン太を借りて日本縦断に出発してしまう。函館から貨物船に乗って津軽海峡を渡った彼は、八甲田山で凍死しそうになる。宿屋の主人の世話になり、知り合った新聞記者に写真を撮られ、道産子での2600kmの日本縦断は報道された。だが、正太郎はまだ遊び半分で姉、駒子と連絡をとり、東京に着いたら鉄之助に迎えに来てもらうようにする。東京で彼を迎えたのは家出して来たという千里だった。千里の情熱に負け、正太郎は旅を続けることにする。様々な試練や思いがけない人情に助けられながら、珍道中は南下していく。一方、日高では両家の争いはエスカレートするばかり。千里は駒子から両家の不和の原因、車で出かけた正太郎と千里の双方の両親が急に飛び出した道産子の為に事故死したことを聞き出した。金蔵は彼女に牧童頭の竜二との結婚を迫る。正太郎はとうとう関門海峡に到達し、いかだで渡ろうとするが、ゴン太と共に海に落ちてしまう。肺炎を起こしかけた彼は、連絡を受けた鉄之助に保護された。鉄之助は日高に戻るよう説得するが、正太郎はやり遂げると突っぱねるのだった。鹿児島を目前とした椎葉の山越えでゴン太が倒れた。正太郎の必死の看病で再び元気になるゴン太。日高では竜二と駒子が結婚しアメリカに旅立った。それを見守った鉄之助と金蔵は仲直りする。正太郎とゴン太は鹿児島に到着し、市民の歓待を受けた。その中に千里の姿もあった。
江藤正太郎
祖父・鉄之助
松前千里
祖父・金蔵
金森竜二
江藤駒子
函館・船員
青森・中年男
八甲田山・宿主
八甲田山・新聞記者
仙台・人妻
人妻の夫
郡山の子供
ガソリンスタンドマン
きしめん屋のおやじ
京都の女の子
警察の係官
小倉・獣医
鹿児島・記者A
監督
脚本
原作
製作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
録音
助監督
プロデューサー
プロデューサー
主題歌
スチール
協力
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