名取裕子
岡崎麻子
かつてサーキットで火花を散らした男たちの愛と友情を、稲垣潤一の音楽を全編に織り込みながら描く。脚本は長瀬未代子、監督は栗原剛志で共にこれが劇場用映画第一回作品。撮影は「ベッドタイムアイズ」の川上皓市がそれぞれ担当。
トッブレーサーの伊佐山亘がレース中事故死してから7年がたった。妻の岡崎麻子は雑誌記者として働きながら、一人娘の百合を育ててきた。伊佐山の仲間だった多田圭一は今でもレースに対する情熱を失っていない。チューニング工場を経営しながら若いドライバーのユウジと共に自分のチーム“チョイス”を育てている。ある日、チョイスのマシンが火を吹いた。多田の妹・めぐみがやっている向かいの喫茶店にいた男が消火を手伝ってくれたので、マシンはなんとか無事で済んだ。その男は梶山潤といい、かつてはレーサーで伊佐山の事故を引き起こした本人だった。償いの意味で彼はレーサーを引退し今はスナックのマスターをしている。また「JK」のイニシャルで、遺児となった百合にクリスマスプレゼントや手紙を送り続けていた。メカに詳しく頼もしい梶山にユウジやめぐみは親しみを感じ、百合もなついていく。多田も彼の力量を認め、一週間だけマシンの修理に協力してくれるよう頼んだ。麻子はなぜ今ごろになって梶山が現われたのか戸惑ったが、実は百合のほうが手紙で呼び出していたのだ。子供心に百合は自分の父を死なせた男に一度は会ってみたいと思っていたのだ。梶山の恋人・元木理恵は彼の過去にばかりこだわる性格に業を煮やしていた。多田は秋のレースに賭けていたが莫大な借金を抱えており、出場が危くなった。梶山は多田の情熱に心を動かされ、友人でトップレーサーの国枝にチョイスへの資金援助を頼んだ。しかし、彼が提示した条件は梶山がレーサーとしてカムバックすることだった。梶山は出場することを決意するが、多田は頑として援助を受けつけない。それは今まで国枝を敵視してきたからで、彼のプライドが許さないのだ。しかし、これはチョイスの将来のためでもあり、多田ひとりの問題ではなかった。麻子は多田のことを思い説得する。伊佐山の死後、二人はお互いに愛を感じながら仕事のために自分を犠牲にしてきた。麻子の思いやりに多田も心を動かし、チョイスはレースに向けてスパート。レース当日、サーキットは興奮につつまれ、梶山のマシンは皆の夢を乗せて7年ぶりにスタートした。
監督
脚本
製作、企画
製作、企画
製作、企画
撮影
音楽監督
美術
編集
照明
録音
録音
録音
助監督
主題歌
スチール
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