森尾由美
女
SF、オカルト、サスペンスなど8本の短篇からなるオムニバス映画。監督は「アイコ十六歳」の今関あきよし、「ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け」の山川直人、中田信一郎、伊島薫がそれぞれ2話ずつ担当。
〔「すいか」〕ある夏の朝、目覚めると男はすいかに変身しており、身動きがとれない。昼過ぎになってデートをすっぽかされた彼女がアパートに乗り込んでくるが、大きなすいかがあるだけだった。しばらく待ってみたが、男が帰ってこないので女は一人ですいかを食べてしまった。 〔「都死生活カタログ」〕ある団地の一室で、中年の男がガス自殺をし、さらに爆発を引き起こした。ビルの工事現場では偶然下を通りかかったセールスマンが、落ちてきた工事用ビスで頭を打って即死。近くのソバ屋では老人がのどに餅を詰まらせて死に、包丁で幼稚園児を襲った男は毒入りジュースを飲まされて死亡。また、下校途中の女の子が踏切で列車にはねられた。ある家庭では団欒中におばあちゃんが老衰死した。 〔「優しくって少しばか」〕朝、ある酒落たマンションの一室で男と女は目を覚ました。女は風邪をひいたようで、男にも出勤する気配はない。女に友人から電話が入り、長電話になった。やがて恋の論議から二人は喧嘩をするがすぐ仲直りした。夜、男は自分のロマンを語り始め、次第にそれは独り言になり、二人は眠ってしまった。 〔「ワン・ステップ・ビヨンド」〕日本で原子力発電所が爆発した。放射能汚染から逃がれようと走って逃げる旅芸人。途中で現場に向かおうとしていた新聞記者を引きとめ、一緒に逃げることにする。国が情報を統制しているので、実際の危険性が知らされていないようだ。さらに外国人女性が加わり、三人は逃げきれないことがわかっていながら走り続けるのだった。 〔「TV」〕下宿生活をしている秋恵は後輩の典子とTVの落語番組を見ていた。奇妙なことにその落語家はまるで二人を見ているように話しかけてきた。秋恵は怖くなってスイッチを切るがやはり気になってつけてしまった。今度はコンセントを抜いても消えないので、二人はTVを窓から下へ突き落とした。 〔「家庭」〕昌之は妻子がありながら、よく愛人・和美のマンションを訪れていた。妻・杏子は息子、宏一に対する愛情がなさすぎると昌之を責めたが、彼女は一度流産してから頭の中で子供を産んでは、事故で殺すのだった。 〔「波に消える」〕ある夏の日。恋人と一緒に海水浴に来た男は、かつての恋人と同姓同名の名がアナウンスされていて驚いた。思い出にふける男をおいて女は泳ぎに行った。その時、男の人が溺れ、女は「あの人は溺れたのではないか」という。再びアナウンスがあり、待ち合せ場所には若い男が立っていた。女はその男が自分に似ているというが、男は複雑な思いで否定した。 〔「猫はよく朝方に帰ってくる」〕探偵はある日、ネコ探しの依頼を受け、海岸へ行った。そこでいつも会社の部長がネコを抱いているという情報を得たのだ。しかし、部長が持っていたのはネコのシッポだけだった。やがて探偵はネコによくエサをやっていた由美という女をつきとめアパートの前に罠を仕掛けてネコをつかまえることができた。
女
すいかの男
宅急便の男
主婦A
主婦B
夫B
男
女
A
B
D
秋恵
典子
落語家
伊藤昌之
伊藤杏子
男
女
探偵
商店のオジサン
部長
脚本
脚本
脚本
原作
原作
原作
製作総指揮
撮影
撮影
撮影
撮影
撮影、編集
音楽
音楽
音楽
音楽
美術
美術
編集
編集
編集、録音
照明
照明
照明
照明
録音
録音
録音
録音
助監督
助監督
助監督
助監督
プロデューサー
プロデューサー
[c]キネマ旬報社