中島葵
北村潤子
混とんとした社会状勢の中で起った事件を素材にした実録ポルノ。脚本は「番格 バンカク 女子高校生のSEXと暴力の実態」の宮下教雄、監督は「性教育ママ」の加藤彰、撮影も同作の萩原憲治がそれぞれ担当。
とある首都銀行に勤める北村潤子は、いつの間にか適齢期もすぎ、まわりの後輩たちも次第に結婚していった。そんなある日、潤子は街で、以前酔った時に介抱してくれた運転手・福島慎二と再会した。慎二は潤子を食事に誘い、二人は自然にホテルへ行き、結ばれた。慎二のテクニックは抜群で、以来潤子は慎二のトリコになってしまった。そんな潤子に慎二は、何かと理由をつけて金をせびり、潤子はその度に銀行の金を横領するようになった。やがて、潤子は転勤を命じられたことから、全てが発覚すると思い、慎二に心中しようと迫ったが、彼はつれなく断った。潤子はすっかり絶望していた。その日以来姿を消した潤子は、数カ月後、下町の古びたアパートで、中年男の中尾とひっそり同棲生活を送っていた。一方、首都銀行事件として潤子と慎二は指名手配されており、マスコミは一斉に二人の事を報じていた。潤子のつつましい生活に終止符が打たれた。刑事がアパートに踏み込み、潤子は連行された。アパートには何も知らない中尾宛に一枚の便せんが残されていた。「お世話になりました。何も真実を申さずにごめんなさい……」
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