梢ひとみ
立野弓子
若いOLの性への憧れと悩み、そして処女を喪失してからの女としての生き方を描く。脚本は「(秘)女子大生 SEXアルバイト」の田中陽造、監督は「ためいき」の曽根中生、撮影は水野尾信正がそれぞれ担当。
OLの立野弓子は少なからず異性に興味をもっているのだが、仲々チャンスがなく、今だに処女である。父の十三回忌の日、弓子は母時子と墓参りに行った。そこで、弓子の会社の部長で、父の友人だった結城と会った。結城は会社の女の子の間で評判だった。弓子もいつの間にか、結城に憧れていたのか、社内の評判に少しの嫉妬を覚えた。そんなある日、弓子は結城に誘われた。ホテルの一室での豪華な食事とワイン、そして結城の洗練された態度に酔ってしまった弓子は、惜し気もなく彼に処女を与えた……。結城は弓子の処女を奪った責任を感じて、将来性のある田中二郎と見合いさせることにした。だが、弓子は見合いの最中、二郎は自分をどのくらいセックスを満足させてくれるか、気になってしかたがなかった。一方、結城は弓子に見合いをさせたものの、弓子の魅力的な肉体を忘れ難く、見合いの席から弓子を誘い出して、欲情のかぎり彼女を抱いた。母の時子は、弓子が結城と関係のあることを知りながらも、自分の淫らな血を引いてしまった娘を叱ることはできなかった。弓子は、二郎とは単なる見合いだけをするのではなく、彼のセックスも知りたくなった。そこで、見合いの翌日、二郎を誘ってベッドを共にした。しかし自分だけの性欲を満足させて終ってしまう二郎に弓子は失望した。弓子は、やはり自分を満足させてくれる男に抱かれることが、何よりも一番幸福な生きがいだと思うのだった。
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