梢ひとみ
優子
恋人の言葉を信じ、娼婦の生活までして貢いでいたOLが恋人に裏切られたことによって真の男の愛情にめぐりあう姿を描く。脚本・監督は桑山朝夫、撮影は「狂棲時代」の前田米造がそれぞれ担当。
並木優子はある物産会社に勤務するOLだが、恋人・小林英男との結婚資金を稼ぐために、夜は娼婦としての生活を送っていた。そんな優子とも知らず、会社の同僚・野上は彼女に求婚するが、軽くあしらわれてしまう。ところが英男は、優子と交際する一方、ストアの経営者の娘・早苗に近づき、彼女と結婚して経営者にのし上るつもりだった。そんなある日、英男は、優子の貯金をはき出させてマンションを買った。英男と二人のためにだと思った優子だったが、そこへ訪れた早苗の態度から自分が裏切られたことを知った。何も知らない野上はそんな優子に結婚を求し込んだ。一方、早苗と結婚できると有頂天にいた英男は、彼女から単なるSEXフレンドに過ぎない、と知らされたうえ、使い込みがばれてストアを退職させられてしまった。ある日、会社に出勤した優子は「昼休みに屋上で待つ」という紙片を野上から渡された。屋上に上った優子は、野上が英男から過去のことを知らされたことを知り、卑劣な自分を詫びた。しかし野上は、優子の過去には一切ふれないで、改めて結婚を申し込むのだった。
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