沢リミ子
村松幹子
セックス氾濫時代の現代、目的もなく学生生活を送っている女子大生の無軌道な性行動を描く。脚本は「女医の愛欲日記」の深尾道典、監督は荒井美三雄、撮影は並河孝治がそれぞれ担当。
東都学院大学の女学生・村松幹子が失踪した。彼女は男好きのする評判の美人で、学内の教授、学生と多くの関係を持っていた。助教授の渋沢、講師の山形、大学院生の小沼の三人は、幹子と関係しており、それぞれの体験を話し合った。山形は、学生とともに登山した時、怪我をしてしまい、幹子と共に一行から離れているうちに雨に降られ雨宿りに入った小屋の中で結ばれた。水沼は幹子と婚約していたのだが、彼女が婚約を破棄したため、自分のアパートで彼女に襲いかかったが、幹子の同級生で恋人の安西に邪魔をされた。それ以来、幹子との間には関係はなくなっていた。渋沢は研究のため借りていたマンションに、幹子を時々連れ込んでは愛し合っていた。だが、ある日その現場を渋沢の妻に見られ、彼女たちの大喧嘩の末に幹子は、渋沢の子を孕んでいると捨てゼリフを吐いて出て行った。以上のように三人は三人とも、現在は幹子とは何も関係がない、と主張した。ある日、安、西は渋沢の妻に、幹子失踪の原因は渋沢にあるとほのめかした。悲観した彼女は夫を道づれに無理心中をしてしまった。だが数日後、安西が突然自殺した。彼女に振られた腹いせに幹子を殺した、との遺書を残して。
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