渋谷健三
甚太郎
九十九里浜の荒磯を舞台に、浜の女と海の男の野性的なSEXを描く艶笑喜劇。なお万祝(間祝、真祝とも書く)とは、大漁の時網元が催す祝宴のこと。脚本は「ふるさとポルノ記 津軽シコシコ節」の今野恭平、監督も同作の白井伸明、撮影も同作の山崎敏郎がそれぞれ担当。
九十九里浜の、ある漁村に住む甚太郎は、寝たきりの祖父の面倒をみながら、祖父譲りの紀州流で鯛釣りに励む二十四歳の若者である。彼には仲買人のヤス婆さんの姪のオソメというSEXフレンドがいる。網元の娘シズイは婚期を逸してまだ独身。漁労長の銀次は、そんなシズイを狙っているのだがとても手が出せなく、女中のミサトで我慢している。ある日甚太郎が、自転車で転んで足を痛めたシズイを救けた。この時以来シズイは、甚太郎が頼しく思えて好意を持つようになった。この話を村の人たちの口から聞いた銀次は心中おだやかでない。海辺の甚太郎の家の近くに町から遊びに来たマキとミホの二人がキャンプを張った。そして男好きなマキは早速、甚太郎にモーションをかけた。翌日、二人は甚太郎の舟に乗せてもらって大はしゃぎ。その様子を見ていた銀次は、女にモテモテの甚太郎に嫉妬で狂いそうになる。一方、漁具などを買い漁っている猫田はマキとミホに近づいた。網元の家に保管してあるクジラのペニスを手に入れるために、二人を利用しようとしているのだ。ミキは五十男の網元から色仕掛けで、クジラのペニスをもらい受けた。喜んだ猫田も、チャッカリとミホを抱いてご機嫌である。一方、シズイは年下の甚太郎のことが忘れられなくなっていた……。
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